『ユトリロ』(お題:白)

 モンマルトルの丘の隅に転がって、真実の白を求めた。


 ガキの頃からアルコールに漬かりっぱなしの脳味噌は、

時々、世界の境界線を溶かす。絵の具をオイルで溶くみたいに。


 奴を殴りつけたい衝動を抑えるために、正気と狂気の均衡を保つために、

アルコールを手放すために。


 漆喰の欠片を絵の具に混ぜて、真実の白を今日も求める。

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