第2話 見えない追跡者
会議室。
六人の宇宙人と四人の地球人。
アリエルが立ち上がり、ホログラムを投影した。
世界地図に、無数の赤い点が表示される。
「これが、確認されているレプティリアンの位置です」
彼女の声は深刻だった。
「一年前は47名でしたが、今は……」
画面が更新される。
赤い点が、倍以上に増えていた。
「120名以上」
モッパの父パッパが言った。
「しかも、各国の権力中枢に集中しています」
「レプティリアン?」
ロビンソンが眉をひそめた。
「ブレンダン星系の爬虫類型進化種族です」
アリエルが説明を始めた。
「彼らは感情が希薄で、支配欲が強い。資源を奪い、星を支配することだけを考えています」
画面に、レプティリアンの特徴が表示される。
レプティリアンの見分け方:
水を飲む時、必ず口元を隠す(爬虫類の舌を見られないため)
興奮すると瞳孔が縦になる
冷房を極端に嫌う(変温動物の特性)
握手を避ける(体温が人間より低いため)
地球温暖化を推進する(爬虫類に適した環境)
金銭至上主義を押し付ける
義理人情をまったく理解できない
「まさか……」
健太が息を呑んだ。
「あの政治家……」
「そうです」
アリエルが頷いた。
「あなた方が最近感じている違和感。それは正しい」
画面が切り替わり、四人の顔写真が表示される。
「そして、これが最も深刻な情報です」
アリエルの声が震えた。
「レプティリアンが『グリーン・フォー・アサシン』という暗殺作戦を開始しました」
「ターゲットは……」
彼女が四人を見た。
「あなた方四人です」
沈黙。
「やはり俺たちが狙われているんだな」
ケリーが呟いた。
「あなた方の活動が、彼らの計画を脅かしているからです」
モッパが答えた。
「グリーン・ハーモニーは『和の心』を広げている。人々をつなぎ、環境を守り、共生を目指している」
「それは、レプティリアンの望む世界の真逆なんです」
ピッパが付け加えた。
「彼らは分断を望む。対立を煽り、環境を破壊し、支配する」
「あなた方を消せば、運動は頓挫する」
マッマが静かに言った。
「それが、彼らの計算です」
ロビンソンが立ち上がった。
「なら、戦おう」
「待ってください」
アリエルが手を上げた。
「相手は巧妙です。直接的な暴力ではなく、『事故』に見せかけて殺害する」
画面に、過去のデータが表示される。
「過去五年間で、環境活動家の不審死が87件」
「交通事故、自殺、病死……全て偶然に見える」
「でも、パターンを分析すると……」
グラフが表示される。
明らかな相関関係。
「これは、組織的な暗殺です」
アリエルの目が険しくなった。
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
ロビンソンが拳を握った。
「まず、監視を強化します」
ヨハンソンが初めて口を開いた。
「キッチュ星の衛星で、24時間あなた方を追跡します」
「そして、レプティリアンを特定し、証拠を集める」
モッパが言った。
「彼らを公の場で暴露できれば、作戦は失敗します」
「でも」
健太が訊いた。
「どうやって証拠を?宇宙人の話なんて、誰も信じない」
「そこが問題です」
アリエルが頷いた。
「だから、慎重に、確実に。決定的な瞬間を捉えなければなりません」
その時、警報音が鳴り響いた。
「何だ?」
ヨハンソンが端末を確認する。
「レプティリアンの通信を傍受しました」
スピーカーから、冷たい声が流れる。
『ターゲットα(ロビンソン)、明日の講演会で処理』
『事故に見せかけろ。狙撃は最終手段』
『了解。銃はすでに会場に搬入済み』
四人の顔が青ざめた。
「明日……」
ロビンソンが呟いた。
「俺、東京で講演会がある」
「中止してください」
アリエルが即座に言った。
「いや」
ロビンソンは首を振った。
「これはチャンスだ」
「何を言ってるんですか」
「奴らを罠にかける」
ロビンソンの目が光った。
「講演会は予定通り実行する。でも、万全の準備をして。そして、奴らを捕まえる」
「危険すぎます」
モッパが反対した。
「でも、これしかない」
健太が言った。
「逃げ続けても、いつかは捕まる。なら、こちらから仕掛ける」
ケリーとトーマスも頷いた。
「わかりました」
アリエルが決断した。
「それなら、完璧な作戦を立てましょう」
次の更新予定
普通の宇宙人シリーズ 2026年編 レプテリアンとの闘い @tomoegawa198906
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