吐息雪
みぃ
白へと滲む
残り火のように赤く染まる
山々の深い息づかい
澄んだ空は
やがて来る「白」の気配を薄く滲ませる
足元にパリリと砕ける
色を失くした最後の枯葉
明るく差し込むが熱を伝えぬ
冬の太陽
遠い記憶のように
肌を刺す風の鋭さ
君の吐息が白く揺れる
その瞬間の、儚い美しさ
やがて訪れる静寂へと
深く沈んでゆくのだろう
凍てつく前の
この透明で、切ない祈り
雪が静かに舞い降りる
君の小さなくしゃみが 静寂を震わせ
辿る白銀の世界は どこまでも淡い
このままふたり溶け合うように
抱きしめ合えば
叶わぬ夢さえ 真実になる気がした
牡丹雪から粉雪へ
静かに ただ静かに積もりゆく
やがて根雪となる 果てしなき
真っ白な大地
吐息雪 みぃ @miwa-masa
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