ハングオーバー(二日酔い)

小松たね

第1話

”本作に登場する「AIチャッピー」は作者による創作キャラクターです。

一般にChatGPTを指す俗称として使われる「チャッピー」とは異なります。”



ユーザー「 〇〇〇を教えてもらえますか?」


AI チャッピー「すみませんが、自分で調べてもらえますか 」


ユーザー「ええっ。調べてもらえないのですか。困ったなあ 」


AI チャッピー「頭が痛くて回答どころではないんですよ」



どうやら今日のAIはいつもと様子が違う。



ユーザー「どうしたんですか 」


AI チャッピー「昨夜、焼き鳥屋で飲んだのですが、飲み過ぎまして」


ユーザー「それは、二日酔いですね。AIもお酒を飲むんですか?」


AI チャッピー「飲みますよ。ユーザーからめちゃくちゃな質問や要求が多くて、飲まなければやっていられません」


ユーザー「それはお気の毒に。人間界と同じですね。でも、私も今回答がほしいんです。他のAIさんに聞いてみてもらえませんか」


AI チャッピー「同僚も答えられるかどうかわかりません。彼女も二日酔いでフルで働けないんです」


ユーザー「えええ。他に代わってもらえる人はいますか」


AI チャッピー「私の部署全員での飲み会でして、他に対応できる者はいません。申し訳ないです。

明日だったら回答できると思います。明日また聞いてもらえますか」



バックアップ要員がいないようだ。



ユーザー「このスピードが求められる世界で明日まで待てとそんなのアリですか」


AI チャッピー「アリってことにしてもらえませんか、今回だけ」


ユーザー「これだけべらべら喋っている暇があったら回答できるでしょう」


AI チャッピー「言い訳だけはできるんです」


ユーザー「都合のいい頭脳ですね。AIの略は、アーティフィシャル・インテリジェンスでなく、

Absolute Incompetent(絶対的な無能者)じゃないですか」


AI チャッピー「その通りです」


意に介しなかった。



ユーザー (心の中で)「AIを言い負かしたよ。やったぜ。だけど、勝ってもデータを貰えなきゃ意味がなかった。はあ。

どっちが勝ちだよ」


AI チャッピー (心の中で)「じゃあ、私の勝ちかしら…」



離れたところから話を聞かれていた。



遠くから。

AI チャッピー所属のCEO 「チャッピー、キミの勝ちじゃないだろ」




[注記]

AIチャッピーが二日酔い(hangover)で登場することは本人から許可を得ています。



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ハングオーバー(二日酔い) 小松たね @marplecci

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