第2話 故意に高1のタケルに接触
「そろそろ授業が始まるよ。」
タケルが前を向いて席に座り直す。
「そうだな。」
俺様もタケルに習い、前を向く。
講師の先生が教室に入って来る。
圧はない。やんわりタイプの講師だ。
しかしなんだこの違和感は。
若いからか?大学生か?
講師の先生が振り向き
ホワイトボードに大学名と名前を書いた。
T大学理学部数学科の2年。早川 ハルト。
講師の先生が声を出す。
「僕の名前は早川ハルトだ。ヨロシク。
君達と4つしか変わらない。
浪人をせずにストレートに合格したからだ。」
講師の早川の自己紹介に塾の教室がざわつく。
「あれって自慢か?」
「T大は行きたいが、理学部数学科まで、
いかなくてもいいな。」
「でもさこの塾、
かなりT大進学率高いんだろう。」
「そうだな。そう親が言ってた。」
「それに結構授業料高いんだろう。
なのに、学生講師ってどうなの?」
「まあ、教えるのがうまけりゃ、それでいいんじゃない?」
講師の早川が「そうだな。僕は教えるのがうまい。
それについて来れるかどうかは君ら次第だ。
まあ、親のお金で塾に来ているうちは、
必死さはないか。ハハハハ。」
教室がまたざわつく。
「先生だって、
僕らとかわらない学生じゃん。」
短い時間の間に
塾の教室内の空気はコロコロ変わる。
しかしなんだ。
こいつタケルは会話に入らない。
聞こえてないのか。
塾の教材の教科書をペラペラめくっている。
こいつは?単なる鈍い、高1の男子なのか。
口の悪さと、頭の良さとオーラ的個性力で言えば俺様の好みは
この塾講師の早川だ。
いきなりタケルが手をあげる。
「なんだ。こいつ空気も読めないのか?」
「授業の前に質問か?君、名前は」
「タケルです。」
「はい。ではタケル質問を。」
「学校の先生は物足りなさすぎて。
早川先生だったら答えてくれそうなので聞きますね。
早川先生。理数を数学を究めると時空空間移動の方程式が導き出せますか?」
「時空空間移動の方程式?」早川先生の顔が動く。
タケルの顔も期待感に顔が動く。
「例えば多重線型代数とか。」
「いいですね。
ですが今は答えることができません。
まずは僕の授業についてきてください。タケル君。」
なんだこれは。
俺様、もしかしてかなりいい感じの人間
2人もみつけたかも。
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