侵略配備

当日中に、作戦会議が練られ、各隊員の配置場所が言い渡された。


『最中(もなか)はその屈強な体格を生かして、遠方から内部に以下の戦闘員を投げ込む投擲役を今回は果たしてくれ。内部では有馬が盾となり前衛、哲派(てっぱ)が狙撃担当として後衛するように。そして、城郭外唯一の死角は、鉄鎖(てっさ)が腐食させ、数名の戦闘員を侵入させる。戦闘員は以下、釜萢(かまやつ)、小桐(こぎり)、梨科(なしか)だ。梨科が先頭に出て、悪いが専守してくれ。君が適任だろ?』と司令官は言った。


鉄鎖とは先ほどの鉄細菌の遺伝子を持つ彼である。彼が手袋を外し金属に触れると、たちまち腐食する。以前城郭と呼ばれるニューホライズンの拠点周囲にある防護壁の一部が、化学薬品の事故で爆発したときに崩壊した際、内部の人間は金属部品で仕方なくそこを応急的にカバーした。


梨科は不満を漏らす。『仕方ないっすね。体質なんで。嫌だなー。痛いなー。』彼はケナシガエルの遺伝子を身体に盛り込まれた人間であり、その体質は気の毒そのものだ。なんと、外的からの物理的外傷を得た部分からのみ骨を飛び出させることができ、その骨をブレードとして使用することができる。


また、最中はサイの遺伝子、有馬はアルマジロ、哲派はテッポウウオ、釜萢はカマキリ、小桐はノコギリエイという具合だ。


『最中は混乱に乗じてタンクとして突入してくれ。他のメンバーは待機だ。』と司令官は命令を以上とした。

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ニューホライズン YOUTHCAKE @tetatotutit94

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