聖女さまは概念へと

喫茶店の中、鈴のように笑う声が心地よく聞こえる街に不吉の音が突然鳴り響く。
得体が知れず不穏で不安なそんな音。

炭酸のように弾けてしまう緊張感の中、軽やかに床を鳴らして立ち塞がる人達がいる。

この街に居れば誰かが護ってくれるという安心感を与えてくれる物語。
この街の住人なりたいと思わせてくれる物語。
誰かの為に一歩を踏み出す勇気をくれる物語。
これが現実世界で行われる物語。
聖女さまの伝説が紡がれる物語。
やさしい世界樹が見守る街の物語。

「絶対守護領域、発動」