登場人物紹介

『子供部屋おじさんは、静かに人生を積み上げている』

主人公

修司（しゅうじ）／30歳

職業：市役所（福祉課）職員

居住：実家・二階六畳（子供部屋）

性格・特徴

穏やかで、感情を外に出さない

自分を卑下もしないが、誇示もしない

「普通であること」に慣れすぎている

人の話をよく聞くが、自分の話はしない

生活背景

毎月、家に5万円を入れている

貯蓄2000万円（投資は超堅実）

借金ゼロ

結婚歴・恋愛経験ともに少なめ

物語上の役割

「笑われる側」に立たされる存在

しかし実は、最も人生の基礎が安定している人物

物語を通して「自分の人生を言葉で肯定できるようになる」

家族

母・修司の母（63歳）

職業：パート（スーパーのレジ）

性格・特徴

口数は多くないが、気配りが細やか

息子を過剰に庇わない

「大丈夫だよ」が口癖

印象的な要素

味噌汁の匂い

階段を上る足音

封筒を受け取るときの、何も言わない態度

役割

修司にとっての「基準点」

社会の評価とは無関係に、息子を見ている存在

父・修司の父（66歳）

職業：定年退職（元・地方公務員）

性格・特徴

寡黙

説教はしない

夜のニュースと焼酎

役割

修司の将来像の“可能性”を示す

派手さのない人生の先例

同窓会メンバー（象徴キャラ）

田中 恒一（たなか こういち）／30歳

肩書き：都内IT企業勤務

状況：タワマン購入・住宅ローン35年

性格・特徴

声が大きい

成功している自分を疑わない

他人を笑うことで安心する

役割

「世間的成功」の象徴

後半で崩れ始める存在

村上 美里（むらかみ みさと）／30歳

状況：結婚・出産後、専業主婦

性格・特徴

明るく社交的

内心では不安が多い

役割

修司を最初に「子供部屋おじさん」と茶化す

後半で態度が変わる人物

佐藤 亮（さとう りょう）／30歳

状況：起業→失敗→転職を繰り返す

性格・特徴

自意識過剰

夢を語るが、現実が追いつかない

役割

「挑戦至上主義」の危うさを体現

職場の人物

上司・課長（50代後半）

性格・特徴

無愛想

だが修司の仕事ぶりは評価している

役割

修司の「社会的価値」を示す静かな証明

窓口に来る女性（40代）

背景：生活に困窮

特徴：感情が荒れている

役割

修司の仕事の意味を読者に体感させる存在

「支える側」の重みを浮かび上がらせる

物語構造上のポイント

悪役はいない

それぞれが「自分の人生を必死に肯定している」だけ

修司は、最後まで派手な逆転をしない

それでも価値観は確実に逆転する