第5話 エリアC担当者:寄技官の記録
私はエリアCの担当者。以前の担当者は精神病院に入院しているらしい。らしいというのは、自分で確かめていないからだ。情報というのは正確でなければならない。
大幻洋。恐ろしい海域であることは間違いない。私は立ち入りたくはない場所だった。しかし、エリアCこと裏神奈川は大幻洋に浮かぶ神奈川県だ。実質、エリアCに行くには立ち入るしかないのだ。
「
亜空間路を自動走行する車両、通称は……なんだったかな。忘れてしまった。
「今更ですが、少しご報告が」
私を補佐している官僚・
「中央地区、どうやら最近は社員ですら立ち入っていないようでして。計器・防犯カメラの確認と警備ロボットが巡回している程度の警備体制で。まあ、その程度の警備体制でも裏神奈川では問題ないのですが、つまりですね、最近誰も立ち入って現場確認していないようなのです」
は? 思わずそう言葉が漏れてしまいそうになった。あそこは重要施設のはずだ。それが、立ち入っていない? この情報、なぜ上に報告がいかない? 大問題だ。
「とりあえず、現場を確認しよう」
軽い視察のつもりが、恐ろしくなってきてしまった。
[ようこそ! 裏側の伊勢原市へ! ]
という看板が見えた。裏神奈川からもじったのだろうか。裏側の伊勢原市とは、なんだろうか。
[ようこそ! エリアCへ! ]
!? なんだ、これは。エリアCは秘匿名のはず。こんなところに書かれているはずが……。
「おい、これはどういうことだ! Cotton! ?! Cotton?」
なんだ。CottonをCottonとしか呼べない。!? 何が起きている。なんだこれは!
次の看板が見えてきた。これまでの物と違い電子看板だ。Cyber的な看板だ。Creativeだ。!?
「Cotton! この車両を引き返させろ! 今すぐに!」
City Centerが近づいてくる。離れなくては!
[ようこそ! エリアCreative Copy Cyber Central City Connect Challenge Choose Change Check Confirm Concept Complete Case Cool Calm Comfortable……
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