第4話 理科こそ品詞分解しろ

理科が嫌いな子は、本当に多い。

まあ、わからなくもない。

つまらない上に、お約束の塊。職人芸みたいな分野だ。


とはいえ、高校受験までは全員平等に理科を課される。


「とりま、理科は公式を使いこなせ。

簡単な問題からサボらずにやれー」


「簡単な問題がないー」


ため息交じりの声が返ってくる。


「AIに作ってもらえよ。

お前らのスマホ、SNSするためだけの道具か?」


そう言って、手本を見せる。


「あ、本当に高速で作るじゃん」

「へー」


「これからの時代は、AIを使いこなした者が受験を制する」


一瞬、空気が止まる。


「……ほんとか?」

「いや、カッコつけすぎたwww」


教室に笑い声が広がる。


理科が苦手な子は多い。

文系に行くなら、苦手なままでもいい気はする。


でも、

できないことや、わからないことを

放置するのは、あんまり良くない。


だから、ちょっとだけ頑張れと言う。

無理強いは、絶対にしない。


アレルギーになるから。


だって、

俺が理科アレルギーだもんwww

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