ウイルス

『貴様何しに来た!』と白ずくめの男が言って、持っている銃器をこちらに向けて撃ってくる。しかし、かすりもしない。下手くそだ。


『そこにいる以上、当てるのが君のマナーだ。』と島野助之進は言い、そのまま至近距離の号砲を聴きながらも、弾丸をかわす。耳を爆音で少しやられながらも、相手に突進し、テイクダウンする。そのままディスアームし、銃の艘底と呼ばれる堅い部分で相手を打撃し、失神させる。


『これじゃ君がいる意味がないな。』と失神した彼に聞こえているか否かわからないが、声をかけ、立ち上がり、彼の持っている鍵で門を開けた。


ズルリと後ろで音がしたので身の危険かと思って振り返ったら、脱力のあまり体勢がよろしくなかったのか、先ほどの失神男が階段をまるで斜面をすべるように落ちて行った。


『さて、トランシーバーにも声を吹き込んだだろうから。わらわら出てくるかねえ?』と島野助之進は少し息巻いた。何やらどうも我ながら上手く行っている。といっても、まだ序の口だが、なんとか無事だ。


階段を上り、屋敷の前に陣取った。ドアの向こうには、人のいる気配がある。きっと、多くの人間が、致命的な武器を持っている事だろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

島野助之進のバーチャルウォー YOUTHCAKE @tetatotutit94

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ