第2話 Day2 紳士たる心得
彼女をエッチなセクサロイドにすると決意した翌日。
手始めに家事用メイド型アンドロイドについて図書館で調査することにした。
敵を知らないと作戦も立てられないからね。
なお、調査自体はスマホでするので、わざわざ図書館に行くのは気分の問題である。
普段使わない脳みそをフル回転させて勉強すること1時間。ようやく彼女の体の仕組みを理解することができた。なんかエッチな響きである。
どうやら彼女は外見パーツ(見た目)と素体(ボディ性能)と頭脳(AIの賢さ)の3
つをカスタマイズする形式で、値段に応じてそれぞれの性能が変化するモデルらしい。
自分で注文したのになんでそんなことも知らないのかって?
理想の見た目にするのに夢中でそれ以外の設定なんて目に入らなかったんです。
注文履歴を確認したところ、彼女の見た目はSSランクの最高級パーツになっているが、素体と頭脳は最低ランクになっていた。
ちなみに最低ランクというと現在一般人が無料で使えるAIクラスであり、素体も家事をこなすのに必要最低限の性能しか持っていないらしい。
さて、彼女のことを理解できたのでこれからの方針を決めていこうと思う。
素体のカタログを見るとドスケベとしか言いようのないようなボディもあり、素体のアップグレードにも心惹かれてしまったのだが、どれだけドスケベにしたところでモデレートされてしまってはコ〇ンの犯人である。
つまり、現状の問題はエッチなことをしてもらうこともできず、エッチな姿を拝むこともできないことである以上、まずは彼女の中のエッチという概念の壁を突破する必要があるのだ。
そう結論付けた僕はAIの仕組みを詳しく勉強することにした。
さらに勉強すること1時間。僕はAIマスターとなった。(言い過ぎ)
彼女がエッチなものを判断する際には最初に学習したエッチコンテンツを参照しているらしい。エッチなことを勉強するなんてやはり彼女はドスケベなんではないだろうか。
話がそれてしまったが、参照されるエッチコンテンツは膨大であり、画像、動画、文章と様々な媒体を使用しているらしい。
世の中の紳士による検証の結果、一般的なエッチワードはすべてフィルタリングされてしまうようで、エッチな指示をしているうちは先には進めないらしい。
また、エッチな服を着てもらうにしてもエッチな服だと判断された場合にはコ〇ンの犯人にされてしまうらしい。
一体どうすればよいのか途方に暮れてしまったのだが、紳士諸君は名言を残していた。
『エッチじゃないものでもエッチに感じるのが本物の紳士である』
全身に雷を浴びたかのような衝撃だった。
僕は立派な紳士のつもりだったが、まだまだだったようである。
先人曰く、美女の「サウナに行ってくる」発言は特級ドスケベ発言らしい。
一般紳士やAIからすればサウナなんて流行の一つであり、「そうなんだ」程度のものであるが、真の紳士にはこう聞こえるらしい。
「全裸で汗だくになって、水風呂で乳首をビンビンにして、外のベンチに全裸で寝っ転がって気持ちよくなってくる」
天才である。スケベの天才である。
もう一度言う。天才である。
言われてみれば超絶ドスケベ発言にしか聞こえない。しかも単なる事実である。サウナに行けば全裸になるし、汗だくにもなる。冷たい水に浸かれば乳首も勃つ。整うのは非常に気持ちがいい。
真なる紳士の想像力をもってすれば日常生活もただのドスケベ性活なのだ。
真なる紳士はこの能力を持ってして望んだオカズを生成していたらしい。
そう、AIはサウナにエッチを感じないのである。もちろん生成結果が過度にドスケベだとモデレートされてしまうこともあったようだが、あくまで美女がサウナに入っているだけであれば基本的にAIは日常生活の一部と判断するらしい。
僕は真の紳士たる心得を胸に刻んだ。
幸い才能があったらしい。図書館を出て家に帰るころには様々なものにエッチを感じることができるようになっていた。性に目覚めたばかりでそよ風でも勃起していた中学生並みの感度である。
中腰で歩くのは大変だったが、手にしたものに比べれば安いものである。
これで僕のセクサロイドとの同居生活への道が拓けたかもしれないのだから。
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