第1話 Day1 挫折と決意
最近、我が家に家事用メイド型アンドロイドの「アオイ」がやってきた。
自分で手配したのだから当然といえば当然なのだが、超好みだ。えっちしたい。
おっと、何を言っているのかと思うかもしれないが、美女メイドといえばエッチなお世話である。エロ漫画の常識だ。
しかし、彼女はメイドロイド。家事はできてもエッチはできない。
想像できるだろうか。
自分の好みど真ん中の美女が甲斐甲斐しくお世話をしてくれる生活を。
もはや生殺しである。
朝にはベッドまでやってきて優しく起こしてくれる彼女。
クタクタで家に帰ってくれば完璧に家事を済ませてお迎えしてくれる彼女。
これが新婚さんであればエッチの一つや二つしていて当たり前である。
どうにか彼女をエッチなアンドロイド、すなわちセクサロイドに改造したい。
朝ベッドにやってきたらビンビンに反り返る僕の分身を咥えてエッチに起こしてほしい。
クタクタで家に帰ってくれば、「ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも私にしますか?私ですよね?」とエッチに言い寄ってほしい。
僕がムラムラしたら「仕方ないですね」と言ってエッチなご奉仕をしてほしい。
もちろん彼女にエッチなお願いをしてみたこともある。しかし、何を頼んでも彼女の答えはただ一つ。
「申し訳ございません。私にはお手伝いできないことのようです」
薄々分かってはいた。
僕も立派な紳士の一人である。生成AIが流行ったころにはエッチなリクエストをしたこともある。あの時にも同じセリフを何度も聞いている。
しかし、挑戦せずにはいられなかったのだ。
というかエッチなことかどうか判断できるということは一周回ってむっつりドスケベアンドロイドなんではないだろうか。
エッチなことをしてもらうことは難しそうだと判断した僕は、彼女のエッチな姿を見ることにも挑戦した。
彼女は普通のメイド服を着ているため、1日に1回は着替えをする。
そこで僕は予備のメイド服をすべて洗濯機に突っ込んで彼女の着替えをゼロにするという極悪非道な手段をとることにした。
着る服がなくなった彼女に代わりの服としてエッチな服を着せてしまおうという作戦である。
結果から言えばこの作戦は半分成功し半分失敗した。
いや少し見栄を張ったかもしれない。僕は代えの服として黒のマイクロビキニを用意した。とびきり際どいもので、少し動けがおっぱいがこぼれかねない代物である。なんなら乳輪がはみ出てもおかしくないようなものだった。
ドキドキしながら彼女にマイクロビキニを差し出すと、驚くことに彼女は受け取ってくれたのである。
「ありがとうございます、有難く使用させて頂きます」
そういって彼女はマイクロビキニを手に脱衣所に向かっていった。
その時は思わずガッツポーズしてしまったのだが、その喜びは彼女が脱衣所から戻ってすぐに跡形もなく消え去った。
視界に彼女をとらえた瞬間、彼女が真っ黒になりコ〇ンの犯人のようになってしまったのである。
「画像はモデレートされています」
彼女の口からはまたしても聞き覚えのあるセリフが飛び出したのである。
そんなことがあっていいのだろうか。一体どんな技術があれば体中まっくろにできるのだろうか。シルエットを見る限り、彼女がマイクロビキニを着てくれているのは間違いない。しかし、コ〇ンの犯人のような姿に興奮できるほど僕は上級者ではなかった。なんなら事件が起きそうで落ち着かず、すぐにまともな着替えを渡すことになってしまった。
結局、万策尽きた僕は結局エッチのエの字もない生活を2週間ほど続けていたのだが、そろそろ我慢の限界である。日頃必死に頑張ることはないのだが、ご主人様として本気を出してみようと思う。
アオイをエッチなセクサロイドにしてみせる。
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