第2話
この高校に受かるのもギリギリだった俺には最初っから梨沙には眼中にはなかったてことか。だから頭が良くないと言われても反論はできなかった。
そんなこんなもあり授業が始まったが、集中できずに、時間は経っていった。そして昼休みになり、楽しそうに話す梨沙を尻目に俺は屋上に向かっていった。
その道中、周りの生とからはヒソヒソされて、指を指されて、馬鹿にするように笑われていた。元々俺は梨沙の隣にいたことで、顔と名前が知れ渡っていたので、すぐに一致し、こうやって笑われるのだ。だがそんなことよりも、梨沙が俺に対して、微塵も興味がなく、むしろ見下していることの方が傷ついていた。周りからの評価なんかは梨沙に好かれていればどうでも良かった。だがそんな評価はされてなかった。
階段を上がるごとに、人気は少なくなり、屋上に着いた。
俺は屋上のドアを開けて、いつも通り、コンビニで買ったパンを食べ始める。今は他の部活の練習を見ても、楽しそうだなと感じずにいた。むしろぽっかりと心に穴が空いた気分だ。だから、パンも味がしなかった。
味のしないパンをなんとか詰め込んで、お茶を飲む。ほんと自分頭が良くないのが、嫌になる。頭が良ければ好かれたかもしれないのに。太っているのも原因だが、どっちかというと頭の良さを重視してるように感じた。まぁ頭が良ければそれだけ収入があるってことだから、分からなくはないけどね。
そうやってボーと過ごしていると、屋上のドアが開いた。俺はそっちの方を向いた。するとるなが笑顔で駆け寄ってきた。
「久しぶりだね。隆也先輩」
「ああ、久しぶりだね。アイドル活動も忙しいみたいだしね」
俺とるなは中学時代ナンパを助けたときに知り合い、それから会話をするようになった。そして三大美少女の一人でもある。それとアイドルでもある。だから浮わついた噂は聞かない。だけど告白はされるらしい。アイドルに告白するとか振られるのに決まっているのに。
「噂は聞いているよー。四ツ葉先輩に告白をして、振られたんだってね」
「ああ、そうだよ。正直振られたのもショックだけど、こうやって噂になって、梨沙本人からも馬鹿にされてる方が堪えるね」
振られるのは釣り合わないから仕方ないにしても、こうやって馬鹿にされて、侮辱されるのは傷付く。それだけ俺にとって梨沙は特別だったし。
「そうだろうね。それなら私からの提案なんだけど、四ツ葉先輩を見返さない?私も協力するよー」
「そんなことできるのか?俺はデブだし、地頭も良くないんだぞ」
それで努力してもダメなときに笑い者にするつもりか?俺は今なんでも疑ってしまうほど、人を信じられない。でも今のままでもダメなことは分かっている。
「大丈夫だよ。隆也先輩には素質があるから」
そんなものあるのか?でも俺は今のままが悔しい。それならやれるだけのことはやってみるべきかな。
「悔しい。だから俺は変わって、見返したい」
するとるなはフっと微笑んだ。
「それなら決まりだね。勉強をできるようにしようね」
それから俺とるなの逆転劇画始まった。
それから教室に戻り、俺は早速課題に出された古文の問題集を解いていた。何言ってるか分からねー。単語不足はやはり言語を勉強するのに分からないと、致命傷か。
「なんかあいつ勉強してるぜー。頭悪いんだから無駄なのになぁー。振られたから、踠いているんだろうけど。自分にはできると思っているところが痛いよなー」
俺はそんな嘲笑込めた声を聞き流し、勉強をする。すると梨沙からの視線を感じたので、そっちをチラ見した。
「隆也が勉強なんかしても対して成績が上がらないのに、無駄ね。この高校に猛勉強しても受かるのがやっとだったのだから」
それは事実だ。進学校である竜流高校に受かるが勉強してやっとだった。でもそれでも見返すために俺は自分ができることを信じて、問題を解いていく。
そして授業は問題を解いていたら、あっという間に終わった。取りあえず解いた問題をるなに見せるために松戸図書館の自習室に向かっていた。相変わらず嘲笑の視線とひそひそ話しながら、馬鹿にされるのを感じていた。恐らく虐めも起きる可能性はあるだろうね。皆俺のことを羨ましがっていたし、ストレス発散にね。
俺は竜鉄に乗ると、声優の声に癒されていた。何か嫌なことがあると、こうやってアニメの声に癒されていた。ここをモデルにしたアニメがあったことに感謝だな。
そして馬橋駅で乗り換えて、松戸に向かう。その間も俺はフランス語の単語を覚えていた。得意なものは伸ばすのが、一番成績を伸ばすのに近づく。得意なものが伸びればそれが自信に繋がるからだ。
そんなことしてると、松戸駅に着いた。俺は電車を降りると、図書館へ向かって歩き始めた。
図書館に着くと、俺は少し時間があったので、本を読むことにした。久しぶりに図書館に来たしな。中学生の頃は毎日のように来ていたが。勉強したり、本を読みに。だが今は勉強もしてなかったし、本もバイトしてお金があり、買っているから、ここには来ていなかった。
「どんな本が読めるかワクワクしてきたね」
俺は小説のコーナに着くと、本を物色し始めた。するとあるラノベ目に入り、それを取って、近くの席に座った。
次の更新予定
2025年12月30日 12:31
幼馴染みに振られて、それが学校中に広がりばかにされて、幼馴染みからはキモいと呼ばれたが努力して、見返そうとする物語 長濱こうき(元作家を目指す浪人生) @Ronisei
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