第2話 元アイドル、マッチング相手と初デートする
先月、幼馴染みから結婚したと
引退して半年。今まで身バレを恐れて部屋に引き籠もっていましたが私にだって勇気はあります。その勢いそのままに『4150』に登録しました。
上手くいけば
そう思っていたのですがマッチングしても相手から何の反応もないまま一週間が過ぎてしまいました。これはシステムのバグなのではないか? と疑い始めた時に気付いたのです。
これはアイドル総選挙の時と同じだ。媚びる奴に反応があるに違いない。ただですね、元アイドルなので顔写真を載せるのは不味いのです。
──
こんな記事が今さら載るのは恥ずかし過ぎです。
だったら逆に私が求める
──子供が欲しいのです。恋愛は苦手ですが結婚を拒否するものではありません。種の提供だけでも構いません
いくら何でもストレート過ぎですかね。私は何よりも子供が欲しいのです。恋愛経験はなく男性とどう接すればよいか知りません。だから
相手の方には夫というよりも子供を一緒に育てる同志になって欲しい。これが私の偽ざる心境です。
こんなこと書く
その方とお会いする場所は都心にある公園です。相手には白のブラウスにブルーのロングスカート姿であると伝えてあります。どの人かな。
と、その時声を掛けられました。
「
「はい。
「西峰です」
「はじめまして」
「こちらこそはじめまして」
お相手の第一印象は大人しそうな優男。悪くはありません。
「暑いですし、どこかに入ってお茶でもしながらお話しましょうか?」
「ええ。そうしましょう」
ご挨拶もそこそこに涼を求めて移動することにします。真夏ですし。
西峰さんに案内されたのは公園近くにあるレトロな雰囲気の喫茶店。ミュージックビデオや映画の撮影に使えそうなインテリアが特徴的です。
きっと事前にお店を調べてくれてたのでしょう。それで待ち合わせ場所がお店近くの公園だったんですね。
メニューも雰囲気に負けず劣らずレトロです。
「ここ、雰囲気が良いお店ですね」
「味も美味しいですよ」
それは以前、食べたことがあるということですね。何処の誰と来たんでしょうか。そして私はここに連れて来られた何人目なのでしょうか。
「以前、来たことがあるんですね」
「たまに昼飯を食いに来てます」
お昼ごはん?
「この近くにお住まいなんですか?」
「勤務先がこの近くなんですよ。それで」
そっか。勤め先が近所なのでこのお店を知っていたんですね。私が何人目かの女というわけではなかったんですね。
もっとも私のために調べてきたという訳でもなかったみたいですけど。
私はホットケーキとレモンスカッシュ、西峰さんはアメリカンコーヒーとモンブランケーキを注文しました。お店の雰囲気やメニューはレトロですが注文はリモートオーダーです。
それにしても結構、気付かれないものですね。一応は元芸能人でそこそこの人気はあったつもりです。メイクの力で盛ってはいましたが今日は特に変装もしていないのに家を出てからここに来るまで誰からも『
何だか普段着に素顔でなら普通に外出できる気がしてきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます