第二話 十字路を右

 青い紐をたどっていくと、小さな公園に設置されたブランコが目に飛びこむ。

 青い紐は公園の入り口前に這わせられ、さらに続く。

 公園内から聞こえてくる少年の楽しげな声を耳に挟みながら、弘人は公園の入り口前を歩んでいく。

 青い紐はまっすぐに伸び、弘人の足をさらに進めさせる。

 しばらくして、十字路が見えてきた。青い紐は右方向に這わされていた。

 右に曲がった先には、空き地がある。

 弘人は十字路のちょうど中心位置に立ち、青い紐が伸びる道の先を見据える。

「空き地に何かがあるのか、それとも……」

 その先の言葉を声にすることなく、弘人は右足を踏み込ませた。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

紐をたどった先に Wildvogel @aim3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画

同じコレクションの次の小説