紐をたどった先に

Wildvogel

第一話 不思議な青い紐

「紐……?」


 山岡弘人やまおかひろとは地元の閑静な住宅街で、不思議な青い紐を見つけた。丈夫な造りの紐は地面に這わされていた。

 

 どこまで伸びているのだろうかと興味本位で紐をたどっていく。弘人の足は進み、やがて住宅街を抜ける。


 青い糸は途切れていなかった。


「どこまで続いてるんだろ……」


 糸は弘人から見て右に這わされていた。


 やさしい風が葉を撫でる音に誘われるように、弘人は再び紐をたどっていく。


 太陽の日差しが増し、木々の影を濃くうつす。


 影によって、青い紐に若干の暗さが混じる。


 「何があるのかな……」


 しばらくして、十字路が見えてきた。青い糸はまっすぐに伸びていた。


 弘人は十字路の手前で一度足を止め、左右確認の後に道をまっすぐ進んでいった。


 

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