#2「線引きーいじめの元凶ー」

 最近、「なぜ、人はいじめるのか」について、考えるテレビドラマを観た。それを観て、私は、いじめの元凶を考えた。

 多くのメディアや教育機関では、「親と上手くいってないことへの憂さ晴らし」、「単に面白いから」といった、悪役にもいそうで身勝手な理由がよく挙げられる。

 それもそうだが、私は、「線引き」も要因の一つだと思う。


 今のバラエティ番組を観ると、分かる。

 バラエティには、「いじり」という、観客に笑いをそそるために、敢えて蔑んだり、揚げ足をとったりする。しかし、可愛いを売りにしているアイドルや女優、またはカッコイイ路線の俳優には、敢えていじらず。お笑い芸人やコメディアンな俳優には、容赦なくいじる。テレビを観続けていると、そんな暗黙の了解が分かってくる。

 出演者は、そういう決まりだから仕方ないと、腹をくくっているかもしれない。だが、こんなことがテレビで流れているから、視聴者は、真似をしてしまう。

 学校だったら、「あの子は、少しからかっても、笑って許してくれる」と信じ、いつも笑顔でいるクラスメートに、喋り方を真似してからかう。しかし、笑いにも、その場しのぎの愛想笑いという種類もある。クラスメートには、笑っているのだけど、心の中では、不快に感じていることだってある。

 愛想笑いとかを知らず、「この子は、平気そうだな」と誤解し、「いじり」と思っている言動を「いじめ」と呼べるほど、酷いものにさせていく。ちなみに、この話は、たとえ話ではない。いつも笑顔でいるクラスメートとは、私のことである。


 あれ以降、私は、クラスメートたちから、罵詈雑言を受ける日々を送り続けた。給食の時は、決められたグループの一員たちと席を合わせて、一緒に食べなければいけない。グループには、その連中がほとんどだった。地獄の時間だった。今思えば、殴っておけばよかった。小学生だから、まだ問題を起こしても、さほど影響はないから。

 特に、トイレ掃除の時間も地獄だった。外国人ハーフの坊主と米粒ほどの目をしたカバは、お喋りばかりで、サボってばかり。それを指摘すると、彼らは、小2くらいの後輩を呼び、「死ね」と暴言を代弁させた。小さい子なら、手も足も出まいという卑怯な根端だろう。ちなみに、坊主とカバは、私のクラスメートだ。本名を明かしたいところだが、同姓同名の人たちに風評被害が及ぶので、見た目から名付けたあだ名で呼んでおく。

 それに、冬休み前日、私は、大便の個室に閉じ込められた。ほうきに外側を塞がれ、押しても出れなかった。早く帰りたかったので、私は、泣くふりをした。すると、彼らは、個室から出し、謝った。後から後輩が来て、いつもの暴言を吐いたが、ハーフの坊主が止めさせた。

 それ以来、彼らは、危害を加えることはなかった。卒業間近の頃、カバにトイレ掃除でのことをバラすと脅すと、「何のこと?」と少し怯えながら、返事をした。


 小学時代を地獄に感じさせたやつらは、今でも許さない。彼らが何と言おうと。けれども、彼らは、よくお笑い番組の真似事をしていた。どこから真似したか覚えていないが、一人一人がうつ伏せで上に重なっていく謎の遊びをしていた。当然、やっていくうちに、一番下の子が苦しくて泣いてしまった。

 お笑いだけでは限らないが、テレビを観て、「こんなことをしたら、面白そう」とすぐ真似してしまうバカは、よくいる話だ。そのうえで、バラエティでの線引きを知ったバカ共は、「この人だったら、大丈夫そう」という思い込みで、害を与えてしまう。

 だからといって、どの人もいじるようにしようとか、バカ単純に変えろという訳ではないし、私は、ただ、ったことを書くだけの人なので、どう対策すればいいかも分からない。そこは、一国民の意見として、偉い人たちが上手くやってくれと思う。

 だけど、人の線引きが嫌いなので、これからも、私は、バラエティ番組で、そういうところを見たら、チャンネルを回すことにする。

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真っ直ぐな線を引くのは難しい 瀬滝二会 @setaki2

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