002 ~世紀末救精主伝説その2~ 三択の女神様
俺はショック、神社でこけて頭打つ。でも女神様の指先一つで転生だ
貞操逆転世界に転生させられたのは分かったが他はまだ不明
説明も途中だったので、女神様のティータイムが終わるのを待つとしよう、というか俺の分も淹れてくれるのだろうか
「・・!せいちゃん!せいちゃん!目が覚めたの⁉」
自称女神の置き土産に突っ込みを入れてたら、思わず声が出てしまったらしい。するとベッドの横で座っていたらしき女性が、読んでいた雑誌をぽとりと落として悲鳴に近い声を上げる。
首を少し傾けて声のする方を見ると、ぱっと見20~30台前半の黒髪ロング、一重で切れ長な目で唇がぽってりした感じの色っぽい女性が、パイプ椅子を倒しながら立ち上がってる。
緑のブラウスを大きく押し上げているものを見て気分が高揚するが、そんな美人さんでも隠し切れない極度の疲労感がそれを近づきがたいものにする。
そんな女性がゆらゆらと幽鬼のように近づいてくる光景に少し引いていると、急に視界が真っ暗になり、女神様の声が聞こえてきた。
「続いては平行世界についての説明ですね」
「俺の分のお茶は?」
「現実世界で飲んでください。それに私と会話しているこの場所は精神世界だから、喉も乾いてないでしょうし、それに口にだして会話もしてないはずですよ」
言われてみればそんな感じだった。頭の中に思いついた言葉を女神様が読み取って会話?しているという事だろう。
「早速平行世界についての理解ですが、確認して宜しいですか」
「ああ、大体の歴史の流れは前世と変わらないけど、どこかのタイミングから世界が少しずつ分岐して、違う流れになっているっていう解釈で大丈夫かな」
「大丈夫です」
「じゃあ俺が転生された世界はどこいらへんから分岐してるのかな」
「1961年からですね。ただそこからの分岐はさほど貴方の前世からかけ離れていないのですが、大きな変化は1986年ですね」
1961年の500メガトンの核実験や1986年のチェルノブ域原発事故で、地球の何とか層やら何やらが破壊されたらしいが、未だに奴らは資本主義国家の陰謀と言っているらしい。まったくファッキン〇助がよ!
「わかりました。それでは現在が1999年9月ってことを考えれば、特に社会構造的に何か大きな違いは無い感じですね」
「そう考えてもらって結構です。ただ、1970年あたりから社会への女性進出が増えてきているので、違和感はあると思いますし、男性は優遇されますが、ある意味過保護と感じる場合も多いかもしれませんね」
なるほど、まあ現時点で男女2人組作ってとなった時に、持続可能な家庭を持てるのは1組、残りは♀♀か♀♂でも種は他から持参となるのだから過保護にもなるだろう。
例えば俺が前世で全裸中年男性として、むき身の刀(隠語)を振り回して街中を闊歩していたら捕まるだろう。
しかしこの世界で全裸成年男子として同じことをやったら、現時点の俺の女性への訴求力にもよるが、どっかでありそうな薄い本の導入部みたいに連れ込まれてしまうだろう。
「そうですね、その考えで間違いありません」
そうか、おかしな事を考えてたら女神様にだだもれだったんだ
「さてこれから家族や親戚友人と話す事でしょう。恋人、はいませんでしたが」
「やかましい」
「あ、それは今の貴方の体の事ですよ」
余計に腹が立つ
「ともかく、急に中の人が変わったわけですから、急に話す中身が変わるとびっくりしちゃいますよね」
「確かに」
これも転生ものあるあるだ。前世の常識に引きずられて失敗を犯す主人公。物語の中なら話のエッセンスとして楽しめたが、それがわが身に降りかかると考えれば、できればそのリスクは少なくしたい。
「ですので、これは先程のポイントを少し使って、以前の貴方ならどのように話していただろうかを女神パワーで予測して、3択で脳内に閃くようにしておきます。当然自由回答をしていただいても結構ですが、ポイントを使用して宜しいですか」
なるほど、いろんなゲームに存在する3択回答だな。
ポイントは・・・10ポイント。高いのか安いのかわからないが、大体最初のこういうやつは取っておいて損はない、はずだ。
「あ、因みに今は時間停止してますから、いくら私と会話していてもお母さまに変に思われることはありません。体が動かせればAVみたいな事もできたかもしれませんけど残念でしたね」
なんで時間停止ものを知っているんだ。
「貴方の記憶からです」
「藪蛇だった、て母親なのか。若くないか」
「そうですね、大体この世界の女性は10代後半~25位で妊娠・出産が多いです。男性の遺伝子が弱いですから、女性の方でバランスを取ろうといった事のようです」
「なるほど、それにしても若く見えるけど」
少し話が長くなりましたね、私は少し気分転換にチーズケーキでも食べてきますね、そ~れ~で~は~また今度~~
そういって女神様は来た時と同様に一瞬で視界が元に戻り、その代わりに母親らしい美人さんが近づいてきて俺の顔を覗き込む。
母親の目に俺の顔が映るが揺らめいていてちゃんと見えない。見えるのは病気でもしてるのかと思えるほどの酷い目の下のクマ。
俺のベッドに縋り付き、せいちゃんせいちゃんと、俺の名前を呼びながら右手を握ってくる。
何とか声も出せそうだし、早速女神パワーとやらの力を使うとするか。女神様、お願いします。
A:舌打ちをして顔をそむける
B:睨みつけながら「うるさいBBA」
C:無視
最悪だ
一応元の持ち主を擁護しておくと、小学校高学年あたりからの女性に対する不信・恐怖感と、生まれた頃から男性優遇の社会で積み重ねてきた状況によるのだろう。あれか、いじめられっ子のこじらせと昔の医師や教師のような、優遇されての勘違いが悪魔合体した感じだろうか。
でもさすがに自由回答以外の選択肢は選べないので、
D:差し伸べられた手を握って「大丈夫。母さん心配かけちゃってごめんなさい」と言う
を選択。あれ?この体になってから頭以外を働かせてなかったので、あまりうまい具合に舌が動かない。もしかしたら入院が長期に及んでいてうまく体が動かないのかもしれないが。
「だぃじょぅぶ、かぁさ・・・しん・ぃぉかけ・ごめ・ぃ」
手も思った感じに伸ばせず、声もまともに出ない。苦笑すら微妙な感じになってしまうが、それを聞いてぶわっと決壊寸前だった所が無事大決壊を起こし、ついでにその下にある2つの穴からも決壊を起こし美人が台無しになった所で、数分間うめき声をあげながら俺の胸に顔をうずめる。
なんか濡れる感覚あるけど涙だけじゃないよねこれ。
いい加減何とかしてほしいと思った所で母親もやるべきことに気が付いたのか、鼻をかんでから部屋を出て行き、先生方を呼んできた。いや、ばっちいので俺の胸の体液を拭いてからにしてほしかった。
スキル
三択神託(10P):困った時に女神様に祈りを捧げると、この世界での常識的な回答が三つ頭の中に閃く。その選択肢を選ばず自由回答も可能。
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