第14話 初めての中型ボス戦
森の奥、薄暗い木漏れ日が地面を照らす中、ローグと仲間たちは依頼の現場に到着した。今回の任務は、中型ボスモンスターの討伐。Fランクの弱小冒険者だったローグにとって、これまでの任務とは比べ物にならない難易度だ。
「奴は単独でも強い。だが、作戦と連携を駆使すれば勝機はある」
リオが低く警告する。ローグは剣を握り、覚悟を決めた。身体能力と覚醒力、そして仲間との連携――すべてが試される瞬間だ。
森の奥深く、巨大な爬虫型モンスターが姿を現す。全長三メートル、鋭い爪と牙、厚い鱗――単独で戦えば到底勝ち目はない。仲間とタイミングを合わせ、ローグはまず攻撃の間合いとボスの動きを観察する。
「ローグ、右側から誘導する!」
ミラの指示に従い、ローグは剣を構え、ボスの右側に回り込む。踏み込み、回避、攻撃の一連動作が、身体能力の成長によって滑らかに連動する。必要な瞬間だけ、覚醒力を最小限に引き出す――これが自分の新しい戦い方だ。
ボスが尾を振り、一瞬で攻撃が迫る。ローグは踏み込みで避けつつ、覚醒力の補助で反射速度を上げ、仲間のミラとケインに敵の隙を作る。リオの指示が的確に飛び、仲間との連携が戦術として完全に機能する。
戦いは長期戦となる。ボスは攻撃パターンを変え、仲間の動きを牽制する。ローグは覚醒力を抑えながらも、身体能力で回避と攻撃を繰り返し、仲間を守る。覚醒力の爆発は最小限に留め、戦いの最も危険な瞬間にだけ融合させる。
「ここだ!」
尾で攻撃を受ける寸前、ローグは覚醒力を全開近くまで引き出し、超高速で回避と反撃を同時に行う。剣がボスの弱点を捉え、仲間も援護射撃で続く。ついにボスは悲鳴を上げ、森の奥へ退却した。
戦闘後、ローグは膝をつき、深く息をつく。全身の筋肉は限界に近いが、胸には達成感が満ちている。身体能力と覚醒力、仲間との連携――これまでの成長が一気に結実した瞬間だった。
「やった……勝てた……!」
心の中で小さく叫ぶローグ。Fランクの弱小冒険者だった自分が、仲間と共に中型ボスを討伐できる存在になった――これが自信となり、次の挑戦への勇気となる。
夕陽が森を赤く染める中、ローグは仲間と共にギルドへ帰路につく。身体の疲労は大きいが、心には確かな成長の手応えがある。身体能力と覚醒力、そして仲間との連携――これらを駆使して、ローグはさらなる冒険に挑む覚悟を胸に刻んだのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます