第11話 ギルド評価と次の任務

ギルドの広間には、朝の光が差し込み、忙しい冒険者たちの声が響いていた。ローグは昨日の全力覚醒による仲間救出の後、疲労で全身が重いが、胸の奥には誇らしさがあった。


「ローグ君、昨日の任務……君の活躍は素晴らしかった」

マスターがにこやかに声をかける。


ローグは軽く頭を下げる。

「ありがとうございます……でも、まだまだ未熟です」

心の中で、昨日の森での戦いの疲労と達成感を思い返す。身体は限界に近かったが、覚醒力の制御を少しでも学んだことが、自分を支えてくれた。


マスターは微笑みながら、ローグに任務報告書を手渡す。

「君の成長は数字やランクでは測れない。Fランクとしては異例の活躍だ。これを評価して、次の任務を任せたい」


その言葉に、ローグの胸は高鳴る。初めて自分の努力と成長が、周囲に認められる瞬間――小さな自信と期待感が芽生える。


「次の任務はCランク以上の難易度だ。森の奥で確認される中型モンスターの討伐、単独では危険だから、今回は仲間とのチーム任務になる」


ローグは深呼吸する。身体能力の向上、覚醒力の制御、仲間との連携――全てが試される機会が来ることを意味していた。胸の奥に緊張が走る一方、心は期待で熱くなる。


「僕、頑張ります……必ず、仲間と一緒に成功させます」

ローグは剣を握り直す。その手には確かな成長の感触があった。森での連戦、覚醒力の制御、仲間を守った経験――すべてが、次の挑戦への自信となる。


広間を歩きながら、ローグは仲間たちの顔を思い浮かべた。ミラの冷静な目、ケインの頼もしい弓の腕、リオの的確な指示――自分が成長することで、彼らを助け、共に戦える存在になれることを改めて実感する。


「……これからが、本当の勝負だ」

ローグは拳を握り、心の中で決意を新たにする。Fランクの弱小冒険者――だが、身体能力と覚醒力、そして仲間との連携を駆使すれば、これまでの自分を超えることができる。


その日の午後、ローグは装備を整え、次の高難度任務の準備に取り掛かる。剣の手入れ、身体のストレッチ、呼吸法の確認――全てが、自分の力を最大限に引き出すための準備だ。


夕日がギルドを染める頃、ローグは静かに空を見上げる。森の奥に潜む強敵への不安もあるが、胸の奥には確かな自信と成長の手応えがあった。


Fランクの弱小冒険者――ローグの冒険は、仲間と共に、新たな高難度任務へと進もうとしていたのだった。


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