さゆり、シングル復帰
その後、
風の噂で、さゆりちゃんが
シングル競技に復帰したと聞いた。
もうずいぶん前から、
競技に対するトラウマは薄れていたらしい。
——あれは、
誰かの気を引くためだったんじゃないか。
そんな話も、
耳に入ってきた。
本当のところは、
僕にはわからない。
ただ、
今の彼女は、
毎日元気にリンクに立ち、
練習を続けているという。
それを聞いて、
胸の奥に引っかかっていたものが、
少しだけ、ほどけた気がした。
——一件落着、
なのだろうか。
そう思おうとした。
でも、
何が真実で、
何が彼女の精一杯の叫びだったのか。
それを、
僕が判断する資格はない。
ただ一つ、
確かなことがある。
僕たちは、
もう前に進まなければならない。
過去をなかったことにするためじゃない。
背負ったまま、
進むために。
オリンピック出場に向けて。
次の更新予定
2025年12月30日 05:00
2025年12月31日 18:00
2025年12月31日 19:00
…
もう一度、リンクの真ん中で @1710010129j
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。もう一度、リンクの真ん中での最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます