第3話船っつーか戦艦

「…わーお」

俺は今目の前で起きている二つの事に驚愕の声をあげた。一つはさっきまで一応見た目は人間だったタケが灰に変わっていた事、二つ目は俺の体がみるみるうちに再生していることだ。

「他愛もない」

「だけど俺は今金がない。」

アスカお前さあ…

「あっ、そうだ」

「何だ?」

「ずっと魔王って呼ぶのなんかアレだからこれからマオって呼んでいい?」

アレって何だアレって。

「好きにしろ。」

良いんかい。

「…では我は眠る。また力が必要になったら呼ぶといい。」

フッ、と周りの魔法陣が消え去った。

「ハッ!」

それと同時に彩芽が出てきた。

「二人とも大丈夫!?」

すぐに回復魔法をかけてくれた。

「オーケイ、この辺で大丈夫だ。問題ない。…む?」

アスカが何かを見つけた。

「なんじゃありゃ!?」

アスカが見ていた方向を見ると、巨大な船一隻と、その周りに船が数隻

「こっちに来るみたいだね……小さいのが8隻」

そこで俺はあることを思いついた。

「おっ、イアイが悪い顔してる。」

「船をパクろう。」

「オーケイ。」

アスカが一足先に外に出た。

「あっおい待てい。」

俺も出た

「ちょっ、待…!」

彩芽が何か覚悟を決めたように外に出た。

「悪寒がしない…?」

「何だよ…結構出れんじゃねぇか…」

「ここからは私の、推理にはなってしまうのですが、」

栗〇じゃねぇか

「悪寒がしないのは、おそらく勇者を殺したからではないのでしょうか」

「ほう?」

アスカが続ける

「ほら、RPGとかでも魔王って勇者来るまでずっと待ってるやん?だけど勇者殺したからもう待たなくて良くなったんじゃないかなって。」

「なるほどね…」

というか船こっち来てますけど。

「どの船パクんの?」

「一番良いのを頼む。」

一回これ言っときたかった。

「じゃああのデカい船だな。」

「いや…船っていうより…戦艦?」

彩芽が訂正した。

「ちょっ…マオさーん!?ヘルプミー!!!」

「…まさかこんなにも早く呼ばれるとは思わなかった。」

すいません本当に。

「まあいい。お前らでも少しは戦えるように力を分けておく。」

「サンキュー」

試し打ちしようかな。

その辺の小さい石ころを親指で弾き飛ばしてみた。するととんでもない速度で飛んでいった。

「お前…超〇磁砲やん。」

「確かに。お前も試してみろよ」

「おう。」

アスカが力を溜め、解放した。

「うおおおおおおっ!!!筋肉が暴走だ!暴徒と化した!」

そこまでか。

「お前ら、遊んでいる暇はどうやらないようだぞ?」

おっと、もうこんな近くに

「さて…と、やります…か!」

俺たちは一斉に船に乗り込んだ。

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勇者パーティーに追放された男の航海記 自称漆黒(笑) @12534

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