第6話

 三角関係になる流れを、自らの手でブチ壊してしまったんです。


───やっちまった⋯⋯。


 まったく想定していなかったキャラを登場させてしまい、さらにそいつに、主人公を食うほどのイケメンぶりを発揮させてしまったから。


 未読 19『苛立つハンドル』

https://kakuyomu.jp/works/16818792436771352361/episodes/16818792438957586726


 この回はラブコメ展開は残しつつも、Rさんの企みに乗せられ出版社へ向かうシリアス回。

 ジュンはRさんと車に乗って出版社へ向かうんですが、その運転手が問題のキャラ。


 当初、この運転手はRさんのお抱え運転手の爺さんの予定でした。


 ───爺や、よろしくね。


 ───かしこまりました、お嬢様。


 みたいな。


 だけど、


───それじゃつまらんな。あっ、ここは⋯⋯


 と思い、”斗真”という若いイケメン運転手に急遽変更してしまったんです。

 見た目も発言もジュンとは真反対の、クールでカッコいいイケメンキャラ。

 結果、Rさんの企みは、斗真が絡んだ物に変更されることに⋯⋯。


───あれ? おかしい。RさんはKさんの恋敵になるハズが、斗真と恋に⋯⋯あれ?


 三角関係の構想はここで消滅。


───な〜にをやってんだ、俺は。アホや。アドリブで書くのもほどがあるやろ⋯⋯。


 けど、ここはスパッと諦めました。

 テーマは変わらないし、そもそも連載が予定より長くなってたからです。

 時間かかってるし先へ進もう!

 完結目指してゴー!


 で、主人公のジュンは出版社に到着し、ついにこの小説のメインテーマ───”読まれる意味”。

 という、核心に迫ることになりました。


 しかし、ここで自分は完結どころか、

 ───精神的に病むことになるんです。


 他でもなく、自分の書いたこの作品によって。

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