第4話…少しずつ、 心が安らぎ
森の中を歩きながら、
まだ胸の奥にはざわつきが
残っていた。
白い空間で感じた孤独や不安の影は、
完全には消えていない。
それでも、光に導かれ、
木漏れ日が差す道を進むたびに、
少しずつ心が落ち着くのを感じた。
「大丈夫…少しずつ、ね」
小さな声で自分に言い聞かせる。
まだ完全には信じられなくても、
少しずつ前に進もうと思えた。
足元の草の感触や、
風のそよぎ、鳥の声。
森のすべてが、
私の存在を認めてくれているようで、
心の奥が少しずつ緩んでいく。
歩きながら振り返ると、
白い空間はもう見えなかった。
それは、恐怖や孤独の象徴だったのかもしれない。
でも、今は森の中で、
少しずつ安定した自分を感じられる。
森の奥で小さな光が揺れる。
その光は、私の気持ちの揺れも、
そっと包み込んでくれているようだった。
——不安はまだあるけれど、
——少しずつ、私は大丈夫になれる。
胸の奥に、ほんのわずかでも
温かさが積もっていく。
まだ揺れるけれど、
私は歩き続けることができる…
そう思えた。
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