第1話 : 艦装少女、抜錨!
2139年4月23日 20:12
房総半島沖
ボン!ボボン、ボン!!
陽元防衛海軍所属護衛艦『ひえい』ならびに『ふそう』の速射砲が火を吹いている。
「『ひえい』、速射砲射程圏内にD.E.E.P.カテゴリー1群侵入!
水雷班、FB充填魚雷発射!!」
「もう魚雷の射程圏内か!?
クソ……ミサイルの効果はやはりないか!」
上空を飛ぶF/A-98B艦載機からのライブ映像。
それは、人魚の津波。
美しく艶かしい女体に見える、魚と融合したような奇怪なもの達。
「……また来たのか、この国へ。
地獄の悪魔の如き人魚達が……!」
人魚の津波を上空から見る、艦載機F/A-98Bの二機
『スガイ1、弾着確認報告!
敵、戦力差大、効果は無し!!』
『スガイ6、同じく効果確認できず。
『あかぎ』への指示を仰ぐ』
上空から偵察結果は艦隊へ、同時に戦場の後方に位置する陽元海軍護衛空母『あかぎ』へ送られる。
『『あかぎ』よりスガイ隊各機へ。
全火器使用自由。敵の勢いを削げ』
『スガイ1、一つ聞く。
フリートレスの支援は望めない状況だが派手にやって良いんだな?』
『……それが、どうも支援が望める状況だそうで』
『スガイ1了解。
スガイ隊各機、全火器使用自由!!
どうやら、俺達の推し艦の誰かは来てくれるらしいぞ!!』
『スガイ2了解。
白露型の子達が来てくれると嬉しいな』
『スガイ3、自分は
『スガイ4は空母の子が!』
『スガイ5、潜水艦推しは俺だけです!』
『スガイ6、ついていけません!!』
『陽気な野郎どもめ。
スガイ隊攻撃開始!!
別に倒してしまっても構わん、撃て!!』
『了解!!』
そして、上空からミサイルによる爆撃が始まる。
────それでも、
敵の勢いは止まらずと分かっていても。
軍人達には、負けると分かっていても戦わなければいけない時がある。
今が、その時だ。
***
横須賀の秘匿ドッグより、最新鋭の戦艦という矛盾の塊が出航した。
機関出力現在80%
船速14ノット毎時、巡航速度
陸奥艤装の処女航海は、戦場へ向けて順調であった。
陸奥艤装CIC内。
「陸奥、体調に問題はないわね?」
凛としたまだ若い女性、だが襟首の階級章は三佐───他国で言えば少佐という、かなり高い階級の士官がそう尋ねた。
実際、先のD.E.E.P.との戦いで多くのベテランが死に絶え、今では彼女のようにどう頑張っても20代前半の佐官も珍しくはないが……
「ああ、
オレは平気だ!!」
彼女の問いかけた先、丸い円筒形のチェンバー内部で『燃える』女性に比べたら、確かに珍しくはない。
赤く後ろで束ねた髪も、その瞳もより赤く燃え盛る、どこか巫女服に似た衣装───陽元艦用第一種フリートレス専用戦闘服に身を包む彼女こそ、
長門型
今日初めての実戦となるフリートレスだった。
「頼むわね『ビッグセブン』。
いくら見た目こそもう200年以上も大昔の古臭い戦艦そのまんま、って言っても、操縦系統はアナタの神経接続を通した腕次第なんだからね!」
「ユキ!文字通り大船に乗ったつもりでいてくれ!
それに言うだろう?
『戦艦が簡単に沈むか!』だ!」
「アナタね、その名前の戦艦は簡単どころか原因不明の爆発事故で沈んでるのよ。
油断しない!」
悪い、と頭を掻きながら笑う陸奥に多少の心配はあったが、それでも若い女性佐官───
「……沈むならせめて、戦って死なないと。
この国と、陸にいる無辜の人達を守る為の防衛海軍じゃない……!」
「……立派だが、気負いすぎだな」
ふと、彼女の横からかかる声。
艦隊司令官が座る為の席に、後ろで手をプラ性の結束バンドで縛られた中年男性がこちらをメガネ越しに鋭いが妙に暖かさを感じる目で見ていた。
その隣には同じく、長いケープコートを纏うボブカットの少女が同じく手を縛られて心配そうな顔でこちらを見ている。
「……言い訳できませんね、
ふと、ユキは懐からナイフを取り出して彼らに近づいた。
一瞬びくりとした少女から、黙ってその手の結束バンドを切る。
「改めて、人質にとった無礼をお許しください」
「……拘束を解いてくれれば不問にするとでも言うべきだったか?
不用心だぞ、俺が格闘が得意だったらばどうする?」
「それでも、本艦ならびに本艦隊はこれより敵地へ進みます。
准将閣下、アナタが防衛省の特務機関からいらした理由は分かりませんが、私達はそのアナタの仕事を邪魔した上に、クーデターまがいの行動のために人質にしました。
どうか、脱出を。
戦闘中となってはそれも不可能です」
この戦闘指揮所兼メイン動力である陸奥いる脱出艇への道を指し示したユキへ、准将と呼ばれた男──ユウセイは静かに手で制す。
「心配は無用だ。
俺も、少々厄介な特務の為にこの場所へ来たが、
最悪なことに好都合な状況らしい」
ふと、横の少女へ視線を向ける。
「ならばそちらの娘さんだけでも」
「……あの、私は」
「
どうせ人質にされたんだ。
我々の最後まで付き合わせてもらおうか」
「……あの、」
「───失礼します」
ふと、何か言いかけたユキの背後の扉から、誰かが入ってくる。
それは、ユキと同じ軍服に身を包み、何故か狐のお面を被った背が低い少女。
本来なら軍の体格検査で引っかかるほど小さく細く見えるほど華奢な体通りの、透き通る声でそう声をかけた。
「
「ヒロイ三佐、一応任務中です」
「クーデターまがいのことをしでかした佐官に従って何真面目に言ってんの、
用意ができたの?」
コクリ、と狐面の顔を頷かせるコオリ。
「
「さすが幹部候補生でも優秀ではあっただけあるわね。
准尉から昇格したばかりなのは伊達じゃない用意の速さね、『提督』」
「……本来の『提督』に申し訳ないです」
本来、海軍の司令官の中でもかなり高い階級を指し示す言葉だったそれは、フリートレスの登場で変わった。
かつて、大昔の世界大戦における大海戦を駆け抜けた艦の名を冠するフリートレス達を指揮する人間達。
フリートレスという『生きた兵器達』で戦隊や艦隊を組み、それを指揮しまとめる立場にある軍人達。
彼らをいつしか、皆がその階級に関わらず『提督』と呼び始めていた。
「それよりこの言葉が必要でしょ?
出撃を許可します。さっさと、特に
「……実は無線繋ぎっぱなしです」
と、無線機を見せながらコオリがそう呟いた。
***
陸奥艤装、第1砲塔脇
「へーい、ガオウ君提督ー。お待たせー」
「───遅ッッッッせぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッ!!」
夕立がやってきたそこに、腕を組んで仁王立ちで叫ぶ、小さな軍服の少年がいた。
「だーっ、うっせぇぇぇんですよチビ提督ぅ!?!
身体小さいから大声張り上げなきゃいけないとか思ってませんか名前だけいかついチワワ提督が!!!」
「相変わらず憎まれ口かよ、顔以外可愛くねーヤツ!!
チッ……お前、あんだけ戦いに行きたかった癖に作戦集合時間に遅れるとかどういう神経してんだコラァ!?」
文句を言う夕立に、その小さい軍人───
「いったー!!反撃できない部下殴ったな暴力提督がコラァ!!」
「うるせぇ!!お前は平気でグーで殴り返すだろうが!!つーかローキックしてる暇あったら配置につけ地味に痛いわボケ!!!」
「配置に!?
……え、今配置にって?」
「ユキ姉三佐からの許可が出た!!!
四水戦、出るぞ!!!」
と、その一言で夕立の顔が変わる。
同時に、ガオウの背後に揃う複数人。
夕立と同じ顔、似た露出度のセーラー服。
しかし少し違う。
「遅いよ、夕立」
「
ショートヘアーに水兵帽子の、白露型3番艦『村雨』。
「オッス!先に準備しちゃったっす夕立姉さん!」
「
夕立と同じ長い髪を後ろで括って快活そうな表情の、5番艦『春雨』。
「えへへ……私が夕立お姉ちゃんより先に行けるなんて……」
「
前髪で片目が隠れている、6番艦『
「わーお。
で、旗艦は?まさか私?」
「その無根拠な自信だけは誉めてやる夕立。
残念ながら当たり前に、旗艦は那珂さんだ」
ふと、後ろから丈が色々たりてない紺色の学ラン風の衣装───第三種フリートレス用戦闘服姿の鉢巻を巻いたポニーテールの少女がそう声をかけて近付いてきた。
「
あらあら、朝雲ちゃんは私達の事止めに来たんでしょ?
何戦闘準備してるのー?裏切り行為だぞー?私達不真面目なヤツらの仲間入りじゃんよ」
夕立の軽口に、はぁとため息をつく彼女───朝潮型
「貴様は3つ勘違いをしている。
1つ。
今出来ていないならそれは私が実力不足であるだけだ、恥ずかしい事を言わせるな。
2つ。我々フリートレスは何のために生まれた?
同族のアホを拳も交えた交渉連れ戻すのは、あくまで敵と戦った上で余力でこなす任務だ。当たり前のことを尋ねるな。
3つ。
今にも敵が来る状況で!!!!
お前みたいな軽薄だが腕だけはある欠陥フリートレスが必要な状況で!!!!
内輪揉めしている場合か!!!!
理解したらさっさと『フリートライザー』の用意でもしておけ夕立!!!」
「……はーい、了解!」
「返事だけはよろしい!
ガオウ提督、お見苦しい所をお見せしたことをお許しを」
そして、夕立を叱ったままくるりとガオウの方へ向き直り、朝雲は姿勢を正してそう言ってから深く頭を下げる。
「何も間違ったこと言ってねぇよ朝雲。休め。
朝雲のいつもの真面目さを労い、さてとガオウは後ろへ振り向く。
「やれやれ、楽しい子ばかりだよこの『四水戦』は。
旗艦の那珂ちゃんは退屈しなくて良いねぇ?」
上にある砲塔の端に座り足をゆらゆら揺らしながら、コロコロと笑う顔がどこかミステリアスな雰囲気の白い髪の女性。夕立と同じタイプのフリートレス用戦闘服に身を包む、長良型四番艦
「退屈したいよぉ〜、由良先輩ぃ……!
私さぁ、旗艦とかガラじゃないじゃんよぉ?
部隊編成まで私らの名前の元ネタにする普通〜??」
と言ってしょぼくれている、いわゆる『姫カット』な髪にメガネ姿の、セパレートな巫女服風の第一種フリートレス用戦闘服に身を包む、
「……那珂さん?」
そこへ容赦のない視線で見下ろす朝雲が迫った。
「ヒエェ!?なんだよその脅すみたいな目は朝雲ちゃん!!
実際私お姉ちゃん型と違って、指揮能力そんな無いし!!
絶対由良先輩とか朝雲ちゃんとか、そこの不良な夕立ちゃんの方が旗艦向いてるじゃん!!
那珂ちゃん虐待だよこれは!?
隠キャでやる気も能力もないヤツになんで責任を負わせようとするのさ!!!
そうだ、朝雲ちゃん今から旗艦を譲るよ、」
「せっかくの申し出ですが、」
ずい、と顔を近づけ、何故か屈託ない笑みで朝雲は言葉を紡ぐ。
「この私は、陽元艦としてクーデター紛いの方法で戦いにおもむく皆様愉快な愚か者ども一つ止められず、バカどもと地獄に行くしか出来ない無能です。
こういう部隊の前線指揮や、ガオウ提督の補佐は後ろ位にいる
ご安心ください、サポートはいたします。
存分に、旗艦として、その勤めをお果たしください。
……理解していただけたでしょうか?」
この時、那珂は理解した。
『貴様ァ!!旗艦という立場にありながら弱音を吐くとは何事だ!!!
代わりたければとっくにそうしていることも理解できんのか!?
旗艦をそんなに譲りたいならさっさと前線に突っ込んで!!!
二階級特進することでこちらに旗艦をよこせ!
このヘタレ軽巡洋艦が!!!』
を、丁寧に翻訳して言っているという事を。
「……はい。旗艦那珂、みんなを指揮しますぅ……!!」
自分が言うべきことはこれだけだと。
……夕立を始め周りは同情した。
まぁ、実際那珂以外に旗艦が果たせるかと言うと……できなくはないが、適任は彼女である。
「……朝雲、そこに直れ。艦隊旗艦相手に圧をかけるんじゃねぇよ」
「ハッ!!失礼いたしました!!!
那珂さんも、無礼をお許しください!!」
「あ、はい。休め」
「……それと那珂!」
「はい?」
「……お前は、出来るヤツだって俺は知ってる。
そりゃよ、幹部課程時代からここにいる夕立が『秘書艦』だったけどな、実戦の場じゃあずっとお前だったろ、俺」
「……そりゃ、長くこき使われてるけどさ、ガオウ提督君にはさぁ?」
「じゃあ分かってんだろ?
俺は、このバカこと夕立並にお前を信頼してる」
「このバカって言われるのは腹立つんですけど、私も那珂さんが適任かと」
「このバカが保証するんだ、自分をいい加減信じろ。
実戦もこれまでそうしてこなしてきただろ?
旗艦は那珂お前だ!補佐は由良と朝雲!
指揮は俺!!
そこは文句言わせねぇぜ。
文句ある奴はいるか!!」
由良が飛び降り、那珂が立ち上がる。
そして、朝雲も夕立も、村雨も春雨も五月雨も、姿勢を正す。
文句はない、と無言でガオウへ示していた。
「へっ、ありがとうよ!
俺は、生憎お前らには『突撃』か『攻撃』か『あれ運んどいてくれ』ぐらいしか指示は出来ねぇ、成績の悪いまま幹部課程を終えたヤツだ。
まぁ知ってるよな。
毎回迷惑ばっかかけるよな、こんな若造がさ。
俺まだ酒も飲めないんだぜ?未熟だよな、そりゃあよ?」
「後二年で飲めるじゃないですか、ガオウ提督?」
「アホ夕立の言う通りです!!
それに、我々は今日、まるで史実通りの『あれ運んどいて』意外の大規模任務へ就けます!!
どうぞ、お気になさらずに、『突撃』『攻撃』『死んでこい』と命令を!!!」
「馬鹿野郎!!!朝雲、お前絶対『死んでこい』とか冗談でも言うんじゃねぇ!!!」
と、朝雲の一言にガオウは血相を変えて本気で怒る。
「戦ってりゃ、嫌でも命を散らすだろうよ。
だから命はかけろ。でも死ぬ気ではやるなよ!
……俺達は、生きて、そして何より『生かすため』に勝利を掴むんだ。
水平線の敵に向かうのは、後ろの陸にいる守んなきゃいけねぇ誰かを守るためだ。
派手に戦って死ぬためにやる奴は俺は……絶対に許さねぇ!!」
しまった、と言う顔を見せる朝雲に、ガオウは肩に手を置く。
「復唱しろ、朝雲。
俺達は守るために戦って、生きて勝つ!!」
「……!
はい!!我々は守るために戦い、生きて勝ちます!!」
「よし!!
那珂、勝つためといえヤバかったら撤退はすぐ進言しろよ!!
俺が熱くなったら、冷静なのはお前だけだからな!!」
「了解、ガオウ提督ちゃん!」
「由良もだ!真面目にやりすぎんなよ、まぁ真面目じゃねぇか!」
「はいはい、適当にやるさね提督」
「朝雲!!
忘れんなよ」
「ハッ!!守るために命をかけて、生きて帰ります!!」
「村雨!
お前冷静だけど、たまに油断するから気をつけろよ!」
「うん。ボクも気を引き締めるよガオウ提督君」
「春雨!!気合いは充分だろうが、お前は冷静にな!!!」
「うっす!!ガオウ提督!!!
冷静に気合い入れます!!」
「五月雨、後ろにいてお姉さん型のフォロー頼むな」
「えへへ、はぁい……」
「後、夕立ィ!」
がし、と最後に自分より背の高い夕立にヘッドロックをかけて近づけさせるガオウ。
「はいはい、なんです?突撃するな?」
「お前が俺の言うこと真面目に聞いたことそんなねぇだろ」
「じゃあなんです?」
「…………戦況聞いてるけどな、バカな俺でも今回の動きがキナくさいってことぐらい分かる。
D.E.E.P.のヤツら、何か隠し球でもあるんじゃねぇかってな」
ふと、小声で夕立にそう話すガオウ。
……これまで、遅れた理由の一つに、夕立は密かに無線の傍受をしていたので、言わんとする不安がよく分かる。
「いいか。単身突撃するなって言わねぇよ。
単身突撃するタイミングを図れって言ってんだ。
お前、俺と同じ軍の幹部候補課程を俺より前に出てるんだし、わかんだろ?」
「ただの箔付けと、陽元海軍のお偉いさんの『政治的理由』で受けただけって言ったでしょ?」
「るせぇバーカ!
…………お前は能力とか抜きに、この戦いには必要なんだ。
腕一本か二本は大目に見てやるから、必ず帰ってこいよ?」
「……了解♪」
と夕立にかけたヘッドロックを解除して、皆に向き直るガオウ。
その手には、タブレット型端末───フリートレス指揮・及び能力発動承認用端末、
愛称『アドミライザー』が握られている。
「長くなったな!!
『
行くぞお前ら!!」
瞬間、この場のフリートレス達がその手に『携帯電話』を、
否───フリートレス専用艦装機能付多用途端末、
愛称『フリートライザー』、が握られる。
その側面の電源用や音量用ではない赤いボタンが押される。
《DESTROYER》
《LIGHT-CRUISER》
───開発者曰く、起動確認のための安全機構解除時に流れる事を示すらしいその音声は、陽元の日曜朝の伝統的な特撮番組にて登場するアイテムの様な印象を受ける。
戦術的優位が無い『待機音楽』が流れる理由は、フリートレスが人間に力を振るわない事を示すためというが、やはりというか日曜朝の特撮番組のアイテムをリスペクトする様な雰囲気があった。
フリートライザーが以上の『ロック機構』を解除を確認した段階で、3段階目のロック解除としてフリートライザーの一部が展開。
かつてはスマートフォンとも言われていた旧型携帯電話端末は、伸びてまるでボートや船を横から見た様な形へとなる。
透明な回路基盤のような艦種部分を上や横にそれぞれ掲げた瞬間、我々がどこかで見たことがある様な魔法陣、あるいはCGエフェクトに似た物がその先端に浮かび上がる。
光るそれの中心で、フリートライザーを鍵の様に回す。
4つ目のロックが外れて光が強くなり、フリートライザーが光へ解けて、代わりにその姿が現れる。
空中に実体を成す、小さな『艦艇』。
かつて存在した、駆逐艦や巡洋艦を模した『艤装』。
それに向かい、全員が全員違った姿勢をとり、溜めるように息を吸い、
「
叫びと共に、艤装へ触れる……あるいは殴る。
《WEIGH-ANCHOR》
音声認識、生体認証、それを経た艤装が分解、というより展開して、フリートレス達を包む。
艤装をその身体に纏い、その身体に差し込み、その身体に接続し、その身体と一体となる。
そして、フリートレスはその名の通り軍艦となる。
人の姿を模した軍用艦艇に。
「全艦、フリートライズ完了!!」
「了解!
第四水雷戦隊、全機抜錨!!!
全艦、出撃!!!」
『了解!!!』
提督の指示を受け、鋼鉄の
機関最大船速。あの水平線の戦場へ向かう。
***
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