僕の亡き母親は、文学を駄目だと言った。

トシキ障害者文人

第1話 実の母親の僕否定。

今は、亡き母親である。僕の母親は、生前、とにかく僕否定が凄かった。僕が、自分で決めたことを、片っ端から、やるなと否定して、お母さんの言うことを聞けと、僕をお母さんの奴隷にした張本人である。


僕が、二十五歳の時、お母さんに、僕は文学をやりたいと申し出たところ、「駄目だ!働け!」と豪語された。この時、僕は、ホームレスになってでも、作家を目指すべきだった。けれど、この時、すでに、僕は、精神疾患者だった。僕に、ホームレスになってでも、文学をやる勇気はなく、僕は、お母さんのコネで、お酒の卸会社に就職した。地獄の職場であった。七年半、僕は、勤務したけど、離婚して、自動車事故を起こして、疲れ果て、辞めた。まったく、いいことが、なかった。


お母さんは、僕の書いた詩を読んで、「これでは、売れない。」と豪語した。お母さんに、僕が、歌を歌ったところ、「お前は、オンチね!」と豪語した。学生時代に、僕がアルバイトをすると、お母さんは、「お金を稼ぐことを覚えたら、駄目だ!」と豪語した。僕が、働きながら、作家を目指して、休日に、一日読書をずっとして、自己修行していると、「そんな無茶な読み方は、辞めなさい。」と豪語した。僕が、自分で、稼いだお金で、音楽CDを、たくさん買って、聴いていると、「もっと、大切に聴きなさい。」と豪語した。なんでこんなにも、僕否定したお母さんだったのだろう!僕は、真面目にやっていたのにな。


お母さんは、僕が精神病院に入院していたとき、盛んに、僕に、「自分の好きなことをしていいのだからね。」と言った。僕は、それを皮切りに、自分の好きなことをしていると、お母さんが出てきて、僕否定をするんだ。そして、お母さんの言うことを聞けと言うのだ!僕は、お母さんの前では、ついに、人間になることなく、お母さんは、亡くなって、天国へ行ってしまった。ついに、お母さんは、僕が人間であることが、わからなかったようだ。しかし、亡くなる数日前に、僕が、お母さんのお見舞いに、大学病院に行ったとき、お母さんは、「あんたのすべてがいいのだからね。」と、僕のすべてを、やっと、認めて、受け入れてくれた。しかし、数日後、亡くなった。


現在、お母さんの共済遺族年金で、暮らしている。この制度は、結婚ができない。まだ、お母さんの僕否定が続いている。


要するに、僕は、お母さんの言うことを聞いては、いけないと言うことだ!お母さんの僕の教えの逆をやるしかない!つまり、お母さんの亡くなる数日前に、「僕のすべてがいいのだからね。」と言った言葉は、逆を言えば、「僕のすべてが悪い。」ということだ!なんでこんなにも、僕否定の凄いお母さんなのですか?いまだに、僕は、惨めったらしい気持ちで、奴隷のように、生きて、文学をしている。まったく、楽しくない人生である。


お母さんは、なんで、僕を産んだのですか?僕を生んで、いじめるために、育てたのですか?僕が、自分で決めたことは、周りに、ことごとく、評価されず、まったく、ひもじい生活を強いられています。これは、僕が、死ぬまで、続くのですか?僕の人生は、まるで、お母さんの人格否定の奴隷です。


僕の気持ちは、決まりました。僕は、お母さんが否定した文学をやります。文学が、僕の人生です。文学こそ、僕を育ててくれたからです。僕は、この世界で、文学をやればいい。それしかない!文学が、僕の本当のお母さんです。現在、お母さんは亡くなっているので、この世界で、僕が文学をやっていることは、知らないはずですね。それとも、お母さんは、天国から、僕の様子をうかがっているのでしょうか?文学が、僕の本当のお母さんです。


僕は、小学校2年生から、文学が好きで、細々とやってきました。まるで、隠れるように、文学をやってきた。もう、文学は、辞められないです。今こそ、文学をやります。僕は、文学を扱う小説家という職業に、興味があるのです。

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 僕の亡き母親は、文学を駄目だと言った。 トシキ障害者文人 @freeinlife

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