大きな穴の正体と桐島との会話

僕は一度友達に電話することにしてみた。

 

「桐島、起きてるか?」僕が言った。

「おう、起きてるぞ。世界が大変なことになったな」

「そうだな。大変なことになった。危機的な状況だよ」

「テレビの映像で見たか。ゴブリンだぜ」

「そうだな、ゴブリンがいた めをうたがったよ」

「この世界はもう変わってしまったのかもな。」

「そうかもしれない。」

「もしかしたら、僕たちは魔法を使えるようになるかもよ。

 だって、ライトノベルでは、魔物に対抗するために、魔法があることが当たり前じゃないか」

「確かにそうだな。けど、誰も魔法なんて使えてないけどな」

「そうだな」


 僕と桐島は、今起きている現象について、話をしていた。


「そういえば、昨日、渋谷の近くまで行ったんだよな」

「渋谷まで行くなんて正気か。昨日、大きな穴があるから、、注意しろって言われてたのに」

「野次馬精神で、言ってしまったんだよな。それでさ、渋谷駅降りて、穴に向かって行くと

 緑色の生き物のゴブリンがいて、顔が凶悪で、追いかけてきたから一目散に逃げたんだよ。

 まさか、ゴブリンがこの地球にいるなんてな」


「ゴブリン生で見たのか。それにしてもよく逃げられたよな」

「そうだね、僕もよく逃げられたと思うよ」

「なんで、ゴブリンって緑色なんだろうな」

「そりゃ、目立つ色じゃないと困るだろ」

「赤色のゴブリンとか出てこないかな」

「そんなゴブリンいたら、びっくりするな」


僕は、不安からか桐島と話すことで安心することができた。



桐島と電話を切った後、僕はこの後の行動をどうすればいいか考えた。


とりあえず、避難できるように、祖父母の家なんかにも行けるように

しなければならないかもしれない。


この家は、渋谷駅から少し離れているがそれでも安心できないなと思った。


それに、全国各地、10か所は、

北海道、宮城、千葉県、神奈川県、東京、名古屋、大阪府、広島県、福岡県、香川県

の10か所である。


僕は、テレビを見ながら次の情報が入ってこないか見ていた。


お母さんは相変わらず、普段通りで、料理にはまっているらしく

色々と食材を買ってきていた。


ニュースキャスターが原稿を読み上げていた。

話の内容としては、


アメリカ側が、穴の中に入ったらしく、そこには魔物がいたようだった。

そして、出てきた魔物は、スライムやゴブリンで、武器で倒せてはいたが、

段々、攻略が進むごとに、武器が効かなくなっていったらしい。




そして、一番価値があった情報としては、

魔物を倒すと、ステータスが現れるということだった。


そして、レベルやスキルが表示されるらしい。


アメリカ政府の発表としては、

この大きな穴は、ダンジョンで間違いないそうだ。


ライトノベルで出てくるダンジョンが

まさか、現実世界に現れるとは思っていなかった。


ネットの噂通りとなった。


「お母さん、これから世界は変わっていくかもしれない」僕が言った。

「そうかもしれないわね」

「現実世界にステータスが現れたんだよ、それに魔物だっている」

「魔物は危険だね。これからどうなってしまうのかしら」


僕は夜遅くなったので寝ることにした。



そして、3日後。


僕は学校に行くことになった。

緊急事態宣言が解除されて、安全になったことを

自衛隊が確認したのだろう。


僕は、朝食のスクランブルエッグを食べて、パンを食べて、

学校に行った。


学校の教室では、みなの憶測や不安や興奮など入り混じって、会話をしていた。



僕はそんな中、桐島を見つけた。


「おう、蓮人、昨日はちゃんと寝たのか」

「もちろん、寝たよ」僕は言った。


「それにしても、アメリカはすごいよな」

「そうだな。行動が早いし、アメリカのおかげで、ダンジョンであることが発見されたからな」

「アメリカでは、ダンジョン攻略、もう2層目に入っているらしい。」

「日本も、確か今日、自衛隊を派遣して、ダンジョン攻略を行うらしいからな」


「僕らもダンジョンに入ってみたいよな」僕が言った。

「まじで言っている。死と隣り合わせの場所にはあんま行きたくないな」桐島が言った。



学校のチャイムが鳴り、授業が始まる。


授業は、数学だったが、ほとんど僕は、集中することができなかった。


そして、学校が5限目で終わり、

僕は帰宅をする。



帰りは桐島と帰ることになった。



「最近さ、ボウリングに行っていないよな」

「ボウリングか、確かに行っていないな」

「今度、行かないか」

「いいよ。来週でもいいか」

「来週で」


僕は、駅の近くのコンビニに入っていった。

お菓子とコーラを手に取って、レジに並んだ。


「コーラ買うのか」

「最近、飲んでいなかったから、飲みたいと思ってね。」僕が言った。

「俺も、コーラを見たら飲みたくなってきた。」桐島が言った。


レジで会計をした後、

桐島と一緒に電車に乗った。


「最近さ、思うんだけど、ボウリングってなんでストライクが取れないんだろうね」

「それは、僕に聞かれてもわからないよ」

「それもそうか。プロボウラーは、簡単にストライクを取るからね。」

「そうだね。」

「それにしても、蓮人ってサッカーとかうまいよな」

「小学校の頃にサッカーをやっていてね」

「だからか、体育祭の時に活躍していたから。」

電車で、僕たちは隣に座っていた。


「なんかさ、本当に魔物っていたのかなって思うよな」桐島が言った。

「そうだね。ダンジョンから魔物が出なくなったし、インターネットや

テレビで、魔物を見るとなんか現実感ないよな。」

「けど、蓮人は見ただろゴブリン」

「うん、そうだね。見たよ。やっぱり、現実だって思ったよ」

「けど、俺たちは呑気に、電車乗って、ボウリングの話とかしているんだよな」


電車が、最寄り駅についた。


僕と桐島は改札を出て、途中で別れた。


僕はコンビニで買ったコーラを歩きながら飲んでいた。


横断歩道で、赤信号だったので、止まって待っていた。

周りを見ると、みんなスマホを見ている。


スマホで情報を得ているのだろう。

便利な世の中になってから、情報が早く届くようになったと

思う。


アメリカ政府が発表した、大きな穴はダンジョンである情報は

すぐに日本のテレビやメディアは情報を取り上げたし、

ネットでも、情報を得ることができる。


人類のアドバンテージは、情報が伝達が早いことではないかと思う。


この世界に、ダンジョンができた意味はなんだろう。

神様の都合だったりするのだろうか。


横断歩道が、青になり、一斉に歩行者が歩く。

僕もそれにならって歩く。


家に帰るとお父さんが帰ってきていた。

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