第4話:触れない

河川沿いの草むらを掻き分けて進む。実際には掻き分けているつもりで、指には何も触れない。でも、僕の青白い腕が伸びて、長い草が指の間に入り、左右に割れて道を作る情景が目の前に広がる。

生きている人間にはこれがどのように見えるのか、とても気になるけれど、話せる人はいない。


地面を踏みしめることさえできないのに、僕は足をちゃんと交互に前に出して、歩き進めるのだ。皆んなで練習したその場走りよりも軽く、滑るように抵抗のない、不思議な感覚。


この体はどうなっているのだろう。そんなことを考えながら、芝生の上に寝転がる。草の匂いに包まれる。太陽は灰色の向こうで白く、ぼんやりと光る。


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