第5話:幽霊の日々
幽霊になってからわかったことがある。時間の感覚が失われるということ。朝と夜の違いはわかっても、眠くはならないし、別に帰る家もないし。
楽しかった頃のことを思い出せば、過去に意識が飛んでいき、あの日の記憶で視界が占められる。この間の現実世界の本体は何をしているのだろう。
触れない、話せない世界より、鮮やかな記憶の中で過ごす方がよっぽど人生だと思うのは危険なのか。傷つく体もない、お金を稼ぐ必要もない。精神の何かが脅かされるのが危ないと、生きていた頃なら考えただろう。干渉できない世界が現実で、ここが唯一の時計の進む世界なのだろうか。--そもそも、生きていないのに人生について考える行為は必要なのだろうか。
ゲームの中のように、少し目を瞑っている間に、無意味な陽と月が昇るのが幽霊の日常だ。今が昭和なのか、平成なのかすら分からない。しかし、もはや僕にとって大した問題ではないのだ。
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