逃げの美学とお人好しのギャップが心地よい、リスク回避とスローライフ
- ★★★ Excellent!!!
主人公のクラウド(前世:俺)は、徹底して「リスク回避」と「スローライフ」を望んでいます。魔王城から逃げ出し、転生後も「聖女に関わるとろくなことがない」と即座に判断するその合理性は、ある種現代的でリアルです。
しかし、頭では「助けない」と決めながら、女神の声を幻聴して結局は少女を助け、幽霊の少年の遊び相手になってあげるなど、隠しきれない「お人好し」な本性が物語に温かみを与えています。この「ドライな思考」と「ウェットな行動」のギャップが、読者に愛される主人公像を作り上げています。