序章ー2
*****
あくる日、ジゼルは牢から引きずり出された。
両手を縛られ、足に
リルを説得するために言った『釈明の機会』がジゼルに与えられることはなかった。真実を訴える場が設けられることも、法の下に公正な裁判が行われることもなかった。
――罪人の言い訳など聞けば耳が
しかし平民出身であり、魔女の
魔女とされた者の
「王妃様を殺した魔女だとよ!」
「とんでもない悪女だな!」
乱れ飛ぶ
「聖女を
人だかりの中から
ジゼルの額が切れ、血が顔を流れるのを見て、民衆の興奮はさらに大きくなった。
「俺たちの納めた血税で、
ジゼルは贅沢な暮らしなどしたことはない。
神殿は
だが人々はそんな事情など知る
続けざまに
(リルは|捕《つか)まっていない……)
罪人として
(よかった……)
リルはきっと無事に逃げられたのだ。そう思うと、心の底から
「火を放て!」
命じる声とともに、火口が
「魔女め! 思い知れ!」
組まれた枝の上に火花が落ちる。
(熱い! 熱い! 痛い……!)
ふと、呼吸が楽になる。
まるで神が
さしのべられる大きな手に身を委ねたまま、ジゼルは意識を失った。
かつて孤児だった少女「ジル」は、聖女「ジゼル」になった。
そして、今。
聖女ジゼルは魔女に
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