朝、廊下は冷たかった

「もう、おきてよ」


そうゆすぶりながら少女は言う

彼女の手が止まり、私はゆっくり体を起こした


「まだ七時だよ。茜」


彼女は秋原あきはらあかね。私のちょっぴり苦手な親友であり、ルームメイトだ

ひとまず二人で食堂へ向かう

廊下は沈黙を襲うように冷たかった


「ちょっと、目をこすったらだめだよ。だから目が小さいんじゃないの?」


朝からこんなことを言われると思っていなかったためか、体が拒否反応を起こし猫背になった


「あーもう、そんなんだから私も変人だと思われるのよ。シャキッとしなさいよ」


そうは言われても、体は思うように動いてはくれない

心までもが完全にふたを閉めてしまった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

名前のない場所 海飴なみだ @matatakitai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画