第3話

昔に、加藤秀俊さんの「~の社会学」 というシリーズ本をよく読んでいた。

「文芸の社会学」とか「習俗の社会学」とか、若いころは分からん話も多かったが、深い面白い随筆風の学術書でした。


最近はああいうPopな感じの学者は、齋藤孝さんくらいか?

柳田国男は、フォークロア、民俗学の泰斗というか、ユニークな立ち位置の研究をしていた博士だが、郷土の英雄?南方熊楠と親交があったらしい。

学際的な研究というか、興味の幅が広くて、専門莫迦に堕していないところが?偉大で?意気投合したのかも。


南方熊楠を褒める人は多くて、最近も中沢新一さんが非常に評価するような発言をしていたが、考えてみるとそれも30年以上昔でした。


荒俣宏さんという、博覧強記でマニアックな作家がいるが、荒俣さんを称揚するのに、「南方熊楠より凄いかも」みたいに書いていた方がいたのを見た事あった。


荒俣宏さんの、文庫版の、全集みたいな5冊組のシリーズあって、どれも面白い。 実に多種多様な興味の幅があって、広大無辺というような印象もあった。 書物蒐集狂をビブリオマニアという。簡単に書痴とも書く。


この場合は、まあフェティッシュというのか、本を読むのは二の次だったり、本末転倒していたりするので「痴」の字になる。


小松左京さんとかも、博学多識で、知識欲のフェティシズムというような趣もあった。若いころ、HGウェルズの「世界文化史大系」という、堅い浩瀚な本を「夢中で読んだ」とか。ホリエモンも、幼少時に百科事典を読破したらしい。


わりに最近は「目立ちたくない」ので、学問を噛み砕く、そうして話題を攫うというようなのを、筒井康隆が「文学部唯野教授」で、柄谷行人さんについてのゴシップを書いていたような意味で避けるんやろか?


「患者よ、がんと戦うな」というベストセラーを書いた、MKさんという医師もなんか干されて孤立していたとか?


ノーベル賞の大江健三郎氏も、なんか孤立ぶりが「凄まじい」とか、これも筒井康隆がリークしていた…マスコミで有名、人気のあるというのは両刃の剣で、学者やらもあんまり自由に書いたり話したりしにくいのかな? 嘆かわしいことか?とか漠然と愚考したりします。


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