第3話:クリスマス気分と冬のデートプラン

放課後。

そろそろ帰宅するかと思って、ふと外を見ると――

陸上部が準備を始めているところだった。


カホもストレッチをしている。

ショートヘアで、手足のすらりと長いカホ。

美人ではないが、清純そうな可愛らしい女子た。


(遠目で見て、しゃべらなければ……)


今では、すっかりソウヤの生活の中に溶け込んで、

もう、カホのいない日々なんて考えられないな……


そう思って見ていたら、視線に気づいたカホが手を振った。

ソウヤも手を振り返して「バイバイ」をした。


――家に帰ると、カホからLINEが。


『センパイ、今日、教室からカホのこと見てましたよね』


ないけど)


『カホがかわいいからガン見してました』と答えると、


『まあ、カホはかわいいですから、別に見ても構いません。

でも、ちょっと手を振り合ったりしてうれしかったです』


との返事が。


『もう、カホがいない生活は考えられないなって思ってた』と送ると、


『カホもです。最近、先輩にウザ絡みしようとしても、なんか不調です』


(そんなことないと思うけど…)


――そこでソウヤは、なんとなく聞いてみた。


『カホって…オレに惚れた?』


『あたりまえです! センパイのカノジョですから……

センパイはどうなんですか?』


『カホにメロメロだよ』


と言ったが、


『センパイが好きなのはわかりました。けど、とりあえずメロメロとか言っとけばいいかみたいに思ってませんか?次回はカホがときめくようなこと言って下さいね』


とくぎを刺された。


しばらく間があって・・・突然、カホが次のデートの話を持ち出した。


『そうだセンパイ! もう寒いので週末デートは海はやめて、

どこか暖かいところに行きましょう!』


『アイランドスパとかどう? カホの水着とか見たいなあ……』


というと、


『却下です。冬は着ません。来年の夏だったらいいですけど……』


と言ったので、


『え、夏はいいの! やったー!』


ソウヤは喜んだ。


『もう! センパイはそういうことばっかり考えてるんですね!

センパイ、おなか回りとか筋肉でバキバキになってないと、

カホは水着着ませんから! ちゃんと鍛えてくださいね!

ダルダルだったら別れますよ!』


カホはあきれながらクギを刺したが、


『夏まで頑張りまーす!』


ソウヤの頭の中はカホの水着を見れる喜びでいっぱいだった。


『で、どこ行く?』


『あーっ!赤レンガ倉庫でクリスマスマーケットやってる!』


『いいですね、クリスマス気分が味わえそうだし……カホも行きたいです……』


こうして、次のデート先が決まった。

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2025年12月26日 10:00
2025年12月27日 10:00
2025年12月28日 10:00

ウザ絡み後輩カノジョときらめくみなとみらいのクリスマス のら坊 @norabou

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