あらすじのとおり、全世界に驚異をもたらしていたダンジョンが踏破されたその後が描かれる。
不謹慎であるが、ダンジョンの攻略はある意味で祭り、だったのだと思う。
無数の冒険者がダンジョンを踏破せんと冒険に 参加し、ダンジョンの攻略は飯の種となり、生業となった――
そして、ダンジョン攻略というバブルは、どこぞの英雄が成し遂げた完全制覇によって弾けしまうのだ。
突如として、非日常から日常に引き戻された冒険者たちはとある理由で、有能な勇者から一転して社会から鼻つまみ者にされてしまう――
ファンタジー要素にラップされているが、この物語のテーマは、生きづらさ、そして他社との苦悩の共有、という普遍的なものに映る。
作者たーたんさんの持つ、ヒューマンドラマの確かな感性。
その上に繰り広げられる本作の物語は、短編ながらたくさんの魅力がぎゅっと詰まっているのでぜひ手に取っていただきたいです。