第8話

「僕の身長でもサイズが合う服ってあるんだね。てっきり子供服が出てくるのかと思ってた。」

「美咲ちゃん、お姉ちゃんに喧嘩売ってるの?」


別に喧嘩を売っているわけではなく、僕は純粋に驚いていた。

僕の身長は139cmしかなく女性基準で見てもかなり低い。

そのため子供服を覚悟していたのだが、案外何とかなるモノである。


「もしかして美咲ちゃんってお姉ちゃんの服が見えてなかったりするのかしら?」

「あっ確かに!忘れちゃってた。」

「酷い!というかこの服も美咲ちゃんが着てきた服もこのお店とおんなじブランドの服よ。」

「へー!そうだったんだ。」

「このブランドが結月ちゃんのお家の会社だったなんてビックリね!」


確かに。

今後このブランドにはお世話になるだろうし、星宮さんには足を向けて眠れないな。


「お待たせ!次これ着てみてもらえる?」

「これなんていかがでしょう。」


星宮さんと藤崎さんがそれぞれ僕に試着させる服を持って試着室に戻って来た。

何故姉だけが僕と残っていたかというと...


「うーん私も美咲ちゃんで着せ替えしたかったのに~」

「お姉ちゃんが恥ずかしい服ばっかり選んでくるからでしょ?!」


際どい服ばかり選んでくるのでクビにしました。





「あー楽しかった!」

「あの...お、お2人とも...選んでくださって...その...ありがとう...ございました...」

「良いの良いの!私も楽しかったし!」

「気にしないで下さい。」

「ねぇねぇお姉ちゃんは?」

「...お金出してくれてありがとう。」

「ふふーん!どういたしまして!こういうこともあろうかと貯めておいたバイト代が役に立ったわ!どう?お姉ちゃん今最高にお姉ちゃんしてるでしょ?!」


姉が目を輝かせながら僕に"お姉ちゃんに見えるでしょ"アピールをしてくる。

こういうことをするから姉に見られないと言いたくなったが面倒くさくなりそうなのでグッと堪えた。


「さっき試着待ってる時にこんな服見つけたんだけどどうかしら!」


姉のスマホの画面には"姉"とデカデカと書かれたTシャツと同じく"妹"と書かれたTシャツの購入ページが映っていた。


「こういうことするからお姉ちゃんに見えないって言われるんだよ。」


モール内に姉の泣き声が響き渡った。

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皆さん文字Tって買った事ありますか?

私はないんですがたまに面白いのがないか探したりしますね。

買いませんが。

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ポジティブコミュ症の日常(崩壊) 取川アゲル @ageru

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