第6話
「お姉ちゃんお願いだから余計な事しないでね。」
「分かってるわ!お姉ちゃんにまかせなさい!」
姉がエッヘン!と胸を張る。
全くもって安心できない。
「というか今更だけど美咲ちゃんって今日くる子達と話せるの?」
「えっと...その...少しだけ...」
「もう仕方ないわねぇ。私が代わりに話してあげるからまかせなさい!」
姉は待ってましたとばかりに今度は胸をポンッと叩いた。
困ったな、さるぐつわが作れそうなのは持ってきたハンカチぐらいだが大きさ的にちゃんと結べるかが不安だ。
「お待たせ!ってあれ?花江君が2人?」
到着するなり星宮さんが混乱している。
実は今日僕はメガネをかけていない。
普段はあんまり付けないコンタクトを付けている。
そのため体系等が近い姉と見分けが付かないのだろう。
「申し訳ありません遅くなりました。......女性化の次は分裂ですか?」
藤崎さんは僕が分裂したと解釈したようだ。
...なんで?
「おお!あなた達が美咲ちゃんのお友達ね!」
「見て見て香織!花江君がめっちゃ喋ってる!」
「...動画撮っときますか?」
「あの...僕はこっちです。」
ボケの大渋滞が起き始めたので意を決して声をかける。
「こっちが本体でしたか。」
「えっと...あっちは僕の...」
「ああ!もしかして花江君ってお姉さんだけじゃなくて妹さんも居たの?」
あっ。
「わあああ!言っちゃいけない事言ったあああ!私がお姉ちゃんなのにー!」
「「えっ?」」
「うわあああああ!」
◆
「その...すみません...お姉ちゃ...姉が迷惑を...」
「えっと、うん凄いお姉さんだね。」
「昨日悩んでいたのも納得ですね。」
なんとか場を収め、2人に謝罪する。
ちなみに騒ぎの犯人はと言えば
「むーむーむー!」
ハンカチで作ったさるぐつわを噛まされ涙目になっていた。
「えっと...その...置いていきましょうか?」
「さ、流石にこのまま置いていくのは可哀そうだよ。それに妹さんと勘違いしたのは私なんだし!」
そう言って星宮さんが姉の口からハンカチを取り除いた。
「ゲホッゲホッ...分かればいいのよ分かれば!ひいっ!」
姉がまた調子に乗ろうとしていたので睨みつけておいた。
「それじゃあ改めまして!美咲ちゃんの"お姉ちゃん"の花江 咲良よ!」
「え、えっと...初めまして、花江君のお友達の星宮 結月です。」
「同じく藤崎 香織です。」
僕達はなんとか自己紹介を済ませ、ようやく買い物に出発した。
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話の中でさらっと美咲がメガネをかけていることに触れていますがよくよく考えたらいままで触れていませんでした。
一応おまけで投稿している美咲(男)のプロフィールエピソードで一瞬触れていたんですが失念してました。
現状登場キャラでメガネをかけているキャラは美咲いがいだと香織くらいです。
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