第6話

「お姉ちゃんお願いだから余計な事しないでね。」

「分かってるわ!お姉ちゃんにまかせなさい!」


姉がエッヘン!と胸を張る。

全くもって安心できない。


「というか今更だけど美咲ちゃんって今日くる子達と話せるの?」

「えっと...その...少しだけ...」

「もう仕方ないわねぇ。私が代わりに話してあげるからまかせなさい!」


姉は待ってましたとばかりに今度は胸をポンッと叩いた。

困ったな、さるぐつわが作れそうなのは持ってきたハンカチぐらいだが大きさ的にちゃんと結べるかが不安だ。


「お待たせ!ってあれ?花江君が2人?」


到着するなり星宮さんが混乱している。

実は今日僕はメガネをかけていない。

普段はあんまり付けないコンタクトを付けている。

そのため体系等が近い姉と見分けが付かないのだろう。


「申し訳ありません遅くなりました。......女性化の次は分裂ですか?」


藤崎さんは僕が分裂したと解釈したようだ。

...なんで?


「おお!あなた達が美咲ちゃんのお友達ね!」

「見て見て香織!花江君がめっちゃ喋ってる!」

「...動画撮っときますか?」

「あの...僕はこっちです。」


ボケの大渋滞が起き始めたので意を決して声をかける。


「こっちが本体でしたか。」

「えっと...あっちは僕の...」

「ああ!もしかして花江君ってお姉さんだけじゃなくて妹さんも居たの?」


あっ。


「わあああ!言っちゃいけない事言ったあああ!私がお姉ちゃんなのにー!」

「「えっ?」」

「うわあああああ!」





「その...すみません...お姉ちゃ...姉が迷惑を...」

「えっと、うん凄いお姉さんだね。」

「昨日悩んでいたのも納得ですね。」


なんとか場を収め、2人に謝罪する。

ちなみに騒ぎの犯人はと言えば


「むーむーむー!」


ハンカチで作ったさるぐつわを噛まされ涙目になっていた。


「えっと...その...置いていきましょうか?」

「さ、流石にこのまま置いていくのは可哀そうだよ。それに妹さんと勘違いしたのは私なんだし!」


そう言って星宮さんが姉の口からハンカチを取り除いた。


「ゲホッゲホッ...分かればいいのよ分かれば!ひいっ!」


姉がまた調子に乗ろうとしていたので睨みつけておいた。


「それじゃあ改めまして!美咲ちゃんの"お姉ちゃん"の花江 咲良よ!」

「え、えっと...初めまして、花江君のお友達の星宮 結月です。」

「同じく藤崎 香織です。」


僕達はなんとか自己紹介を済ませ、ようやく買い物に出発した。

=====================================================

話の中でさらっと美咲がメガネをかけていることに触れていますがよくよく考えたらいままで触れていませんでした。

一応おまけで投稿している美咲(男)のプロフィールエピソードで一瞬触れていたんですが失念してました。

現状登場キャラでメガネをかけているキャラは美咲いがいだと香織くらいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る