第4話

僕の姉である花江 咲良は小さい。

身長が138cmしかなくミニチュアサイズ。

僕の身長は172cm程で男子としては平気よりは少し高いぐらいだった。

僕と姉が並ぶと...周囲から姉が姉として認識されることは無かった。

まぁ身長だけが理由ではないのだが本人的にはそこが一番のネックだったようで、よく『身長さえあれば!』とぼやいていた。

今僕は女性化によって姉とほぼ同じ身長にまで縮んでしまった。

そして今日姉は帰省する。

非常にマズい...


「何か悩み事ですか?」

「えっ?あっ...えっと...その...お姉ちゃ...姉が...」

「えっ!?花江君ってお姉さん居たの?!」

「それで、そのお姉さんが悩みの種ということですか。」


藤崎さんの言葉に頷く。

頭の中で話したいことを整理する。


「姉は1人暮らしで...えっと...大学生で...今日...帰って来ます...」

「へー!大学生なんだ。きっとしっかりしてるんだろうなー。」

「えっと...姉は......ポンコツ...です。」

「えっ?」


そう、姉はポンコツである。

一応勉強はできるので頭は悪くないはずだが、ポンコツである。


「おー!良かったですね結月。仲間が増えますよ。」

「へ?」

「...」


藤崎さん的には星宮さんはポンコツなのか。

ところどころ片鱗がないこともないが、恐らくそういった部分を藤崎さんがフォローしているのだろう。

事実女性化して2人との接点が出来るまでと後ではだいぶ印象が違っている。


「はい!できた!香織!どう?」

「似合ってますね。いいと思います。」


2人が何のことを言っているのかと言えば・・・


「ポニテも良かったけどハーフアップもどうかな?あとはツインテも!」


僕は今星宮さんの膝の上に座らされて、髪をいじられている。

というのも僕の髪質と長さが丁度いいらしくいじりがいがあるのだとか。


「ツインテールと言えば夏姫、撮影終わったらしいですよ。来週からしばらく普通に登校するそうです。」

「えっ!ホント!?なっちゃん学校くるの!?やったー!」


2人が言っているのは僕たちのクラスメイトの芹澤 夏姫のことだ。

彼女は役者とモデルをしていてあまり登校してこないが、僕たちの学校はそういった生徒に理解があるため、レポートやリモート授業を活用できる。

それらを活用して彼女も少ない時間で僕達と同じ範囲の学習をしているのだ。

僕は芹澤さんの事をよく知らないのだが、星宮さん達と仲が良いらしいし、例に漏れず勉強も出来るんだろうなあ。


「そういえば成績がヤバいから助けてと泣きつかれましたね。」


どうやらそういうわけではないらしい。

芹澤さんの為に勉強会を開くことと、その勉強会に僕も参加することが決定した。

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次回姉襲来。

ちなみにこのお話が作中時間で金曜日なのでこの次の日に買い物に行きます。

そして週明けにはおバカ(夏姫)襲来。

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