第12話

「……そろそろ“疑い”を壊しに行くか」


今回は検証でも説明でもない魅せる。


装備を切り替える。

霊刀

レザーアーマー

レザーヘルメット

レザーグローブ

レザーブーツ

軽装だが刀だけは別格、霊刀だ。


「刀は日本人にとってロマン武器だからな」


30階層・ボス部屋前。


説明は最小限。


それだけで“普通じゃない”ことが伝わる。


30階層ボス、ミノタウロスキング。


扉が開く。


巨体。

筋肉の塊。

両手には、巨大な大斧。

踏み込みだけで、地面が割れる。


斧術は荒々しく、だが洗練されている。

一撃一撃が即死級。


だが――

遥斗は下がらない。

霊刀が静かに光る。


戦闘

斧が振り下ろされる。


遥斗は半歩、内側へ回避ではない。

踏み込み。

刃が走る。

斧が空を切る。


次の瞬間ミノタウロスの腕に、深い斬撃。


「……お?」


初めてミノタウロスキングが体勢を崩す。


以降は一方的だった。


力任せの斧に華麗で無駄のない刀術。


攻撃をいなし、急所を刻み、確実に削る。


最後は――

一閃。


巨体が膝をつく。


そして崩れ落ちた。


静寂の後、宝箱が出現。


中身をカメラに映す。

中ランク装備品

各種ポーション

魔導具

ミスリルのインゴット

スキルスクロール。


「この辺りから実用品が増えてきます」


淡々と、だが確実に“格”が違う。


エンディング

最後に刀を鞘に納めて一言。

「これが、30階層です」

それ以上は語らない。


世間のダンジョン熱は明らかに次の段階へ入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る