第7話
ダンジョンコアに触れたまま、俺は最終調整に入った。
これはただの迷宮じゃない。
日本に置く以上、壊してはいけない一線がある。
「……選別は必要だ」
最初に設定したのは入場条件。
ダンジョンに入れるのは遺伝子レベルで100%日本人のみ。
さらに、
犯罪者
悪人
反社会的勢力
明確な悪意を持つ者
これらは、自動的に排除。
意思や誤魔化しでは通らない。
ダンジョンシステムが存在そのものを判定する。
「綺麗事は言わない。危険なものは入れない」
ステータス付与
初めて0階層に足を踏み入れた瞬間、入場者はダンジョンシステムに接続される。
付与されるステータスは以下。
名前
レベル:1
1次ジョブ
基本能力値:
HP
MP
STR
VIT
DEF
INT
MND
AGI
DEX
LUK
スキル:
インベントリ
ジョブ固有スキル
ランダムスキル ×1
1次ジョブは自己選択ではない。
ダンジョンシステムが人格・適性・潜在能力を解析し、その人に最適なジョブを自動付与する。
例として――
剣士 → 《剣術》
火魔法使い → 《火魔法》
回復術師 → 《治癒》
ジョブ固有スキルはその職に不可欠な基礎能力とする。
転職と成長
レベル30:2次ジョブへ転職可能
レベル50:3次ジョブへ転職可能
レベル上限は99。
さらに――
極稀に人格・能力・行動履歴などをダンジョンが総合判定しレアジョブを付与する。
「努力だけじゃ届かない席もあっていい」
ダンジョン外での制限
最重要項目。
ダンジョンの外ではステータス・スキルは完全無効。
0階層から出口通路に出た瞬間、
ステータス無効
スキル無効
装備品・魔導具・スキルスクロールの効果無効
当然インベントリも無効化されるため通路に出た瞬間にインベントリ内の物品はすべて消滅する。
「現実世界に力を持ち出させない」
なお、ダンジョン内に持ち込まれた装備や道具にスキルによる付与効果が与えられた場合、それはダンジョンアイテム扱いとする。
犯罪行為への対応
ダンジョン内での犯罪行為は一切、許可しない。
違反者には――
ステータスの完全剥奪
永久的なダンジョン入場禁止
情状酌量はなし。
「ここは自由じゃない。ルールの中の場所だ」
パーティー制限
パーティー人数:最大6人
ボス部屋同時挑戦:最大10パーティー
当然、人数が多いほど取得経験値は減少する。
ソロも、少人数も、大規模も選べる。
だが効率は平等じゃない。
すべての項目を確定した瞬間、ダンジョンコアが強く光った。
――ルールは刻まれた。
――変更はダンジョンマスターのみ可能。
「……これでいい」
これは力を与える場所であり、秩序を守る場所でもある。
日本に生まれた新しい試練の場。
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