第5話 七つの贖罪
白雪姫に課せられた使命――それは、彼女が冒した七つの血の罪を償うため、真祖の血を分け与えられ、世界の理を司る七人の王を討つことだった。
これらの王は、単なる吸血鬼の支配者ではない。彼らは、太古より世界に存在する根源的な要素と結びつき、夜の支配を永続させている。
七つの理を司る王たちとは、
・時間 (Chronos) 過去と未来を操り、時の流れを逆行させる、最古の賢者。
・生命 (Bios) あらゆる生命の盛衰を支配し、傷を瞬時に癒し、眷属を無限に生み出す創造主。
・空間 (Aether) 影や鏡、水面を移動経路とし、世界中どこへでも一瞬で姿を現す幻影の主。
・光 (Lux) 昼と夜の境界を曖昧にし、太陽光さえも武器に変える、異端の王。
・闇 (Nox) あらゆる光を飲み込み、恐怖と絶望を具現化し、精神を崩壊させる絶対的な支配者。
・感情 (Pathos) 愛、憎悪、狂気を操り、人間の心を弄ぶ、誘惑と破滅の女王。
・力 (Potentia) 圧倒的な身体能力と魔力を持つ、純粋な破壊を司る武力の頂点。
白雪姫が、七人のこびとたちの純粋な血を穢した罪は、これらの理を司る王たちの存在によって増幅され、彼女の贖罪の旅路は、世界の存亡をかけた戦いへと変貌した。
彼女の体には、王子から与えられた吸血鬼の呪いと共に、吸血鬼を狩るための「枷」が刻まれている。その枷こそが、彼女がこれらの強大な王に唯一対抗しうる、秘めたる武器となるだろう。
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