未知がもたらす感情

 この作品を読みながら真っ先に連想したのが小川洋子先生の『ブラフマンの埋葬』である。暖かみのある物語なのだが、主人公の飼う生き物ブラフマンが何の動物なのだか、最後まで明かされない。不思議な設定である。

 この物語に出てくる「それ」もブラフマンに親しい存在である。ただ、「それ」があまりに日常に溶け込んでいるのが恐い。得体の知れない何かを家に置き続ける主人公。「それ」が何なのか、最後までわからなかった。

 この作品はホラーなのか。それとも……。私はホラーだと認識した。読み終えて、変なものは拾わないようにしようと心に誓った。ただ、読み手によってはホラー以外の作品と捉えられるかもしれない。ぜひ、一読していただきたい。

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