2025年12月29日

に名前を付けようと思ったが、なんだかがしっくり来てしまったので、という名にした。


今日はうちに友達を呼んでの忘年会だ。

景気よく、ちょっと良い肉ですき焼きをする。


友達にはのことを黙っておこうと思っている。

今では、とぬこと静かに暮らすことがわたしの喜びとなっていた。


だから、には悪いが、今日は風呂場に隠れていてもらうことにした。

だが、思いとどまってやめた。


は熱い湯に浸かるのが好きなやつだ。

風呂場は寒いだろう。


そう思って、ペット用カーペットの上に置いて、タオルケットを被せることにした。

しかしこれも、ぬこがちょっと嫌そうだったのでやめた。

そうは言っても、最初よりはだいぶを受け入れているようだ。



今日は部屋に暖房をつけるし、結局、部屋の隅に箱に入れて置いておくことにした。


友人たちが来て、炬燵とすき焼きを囲む。

みんな酒も入って、話も盛り上がってきた。


やがてすき焼き鍋も空になり、気がつくと、友人の間にが紛れていた。


わたしは一瞬にして酔いが冷めて心臓がバクバクしたが、誰もについて何も言わない。

に酒まで注いでいる。


それどころか、に身の上話を始めた。


は、酒を飲んでどことなく上機嫌にもみえる。

親身になって話を聞いているようだ。


いや、そもそも。

わたしはに飲食できるような口があったことを知らなかった。

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