「リナとマリエとパーティを組むことになってしまった」
「マーリーエーにゃーん」
ダンジョンを出てすぐ、お礼をしたいというリナに案内されて教会へやってきた。
僧侶の姿を見とめた瞬間猛ダッシュで彼女へと飛び込んでいくリナ。
「ひゃああああ」
悲鳴を上げつつも、リナのなすがままになっている僧侶――マリエと、抱きしめたり頬ずりしたりしているリナ、二人の姿に僕は思わず目を逸らした。少しだけ目の毒に思えた。
「ちょ、やめて、やめてください、リナさん」
「ちぇー、相変わらず堅いなあ、マリエは」
「リナさんが奔放すぎるんです!」
スレンダーで小柄、陽気なリナに対して、マリエは落ち着いて厳かな、そして一部が肉厚感のある姿。性格も含めてまるで正反対のように見える。
それでも、二人は笑いあっていて、なんだかちょっとだけほのぼのとしてしまった。
「それで……そちらの方は?」
「あ、そうそう、あれはアルトにゃん。さっきダンジョンで助けてもらったんだ。アルトにゃんはすごいんだぜー」
紹介なのかそうでないのか、ともかく僕もマリエに向かって礼をする。
「はじめまして、アルトです」
「こちらこそ、マリエです。神官をやらせていただいております。リナさんを助けていただいて、ありがとうございました」
リナも深々とお辞儀をしてくれた。
「でさー、今度アルトにゃんとマリエにゃんと、三人でダンジョンいこうぜ!」
「は?」
「え?」
僕とマリエの挨拶も終わらぬうちに、リナがとんでもないことを言い始めて、僕たちはそろって目を丸くしてしまった。
「こほん、あたしが斥候、アルトがバランス型の戦士、マリエが回復。これで安定すると思うんだよねー」
「いやいやいや、そうじゃなくて」
「だって、さっきの戦い方見ても、アルトにゃんかなり強いもの。それにこれ、加護だっけ? これのおかげで魔物の攻撃なんてへっちゃらだし、マリエがいれば不測の事態にも対応できるしにゃー」
マリエが頭を抱えている。
「リナさん、アルトさんにも迷惑では……」
「だいじょぶだいじょぶ、アルトにゃんもソロだしにゃ。あたしら、絶対いいパーティになるって!」
まるで確信したかのように満面の笑顔で語るリナに、マリエは僕とリナの顔を交互に見てはおろおろとするばかりだ。
リナと組むこと自体は問題ないとは思うが、そこにマリエさんを連れて行くのはどうなんだろうか。いくら回復の腕がいいとは言え、非戦闘員であるわけだし……
「心配ないよ、マリエは僧兵免許もあるからにゃー」
そんな心配を見抜いたのか、リナはまたとんでもない事を暴露してしまった。
マリエが慌ててリナに詰め寄った。
「リナさん! それは!」
「あはは、めんごめんご、でも安心材料でしょ?」
「うぅ……初対面の人に……バラすなんて」
どんな問題があるのかわからなかったが、マリエは顔を真っ赤にして僕をチラチラと見ていた。
それからマリエと二人で説得を試みるも、結局リナに押し切られてしまい、三人でダンジョンへと挑むことになった。
マリエも一緒にダンジョンへ行くのか、とそう思った瞬間、また体が重くなる感覚が僕を襲った。
同時に、何か白い靄のようなものがマリエを包み込んで、僕と微かにつながっているように見えた。それはリナともつながっている。
今まで、ガルムと一緒にいるときは、こんなものは見えなかったのに――
これが加護なのだろうか?
そう思っても答えは出なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます