第3話 異世界始め

ユウサクはまだ知らない┅

ステータスに変化があったなんて┅


腹が空いたから食べる為に動く、喉が渇いたから水を探す

本能のままに活動するのは生きてる証


「道具が欲しいな┅こんな石のナイフじゃ切れないしな

水も川の水って腹を壊さないか?火も頑張ってるが点かないしな┅もっとサバイバルを経験しとくんだったよ┅┅キャンプとか」


植物のツタを使い回転式で木を回し火をおこす

そして川で狩ったウサギを捌くが平べったい石を磨いでナイフ代わりにしたが┅┅ブチブチと切れる毛皮は悲惨で肉が皮に付きどうにか食べれるだけの肉を得た


それを木に刺して火で焼くユウサク、塩も何も無い肉はケモノ臭く不味いと言えるが食べないと身が持たない


「明日は魚に挑戦しよう、町へ行くにもかなり遠いしな┅」


冷静に考えれば町へは多くの魔物とか遭遇するだろう

それにこの世界の人に会っても言葉の問題に不審者極まりない格好だ


ユウサクは人を信じない性格でとても慎重で臆病だ

だから知らない土地へ行ってもどうにか上手く入り込めた


世の中で一番怖いのは猛獣より人間だと思ってる


夜、木の上で寝てると何と無くステータスを開く

すると違和感に気付き良く見ると新しい項目が┅┅


「なんか変わって能力が付いてるぞ┅┅前に見た時はなかった?

それにレベルが4って┅

ウサギを狩ったから?経験値10倍ってなぁ┅

マジックバッグは知ってるぞ?でもスーパー?

言語理解は助かる!鑑定は制限中!この???もだな┅┅

しかしレベル30と50ってのはなぁ、魔物を倒せって事か?

不安要素が少しは減ったと言えるがしんどいな┅生活魔法は有り難い┅」


ポトンと落ちたスーパーマジックバッグを見ると体から流れる何か?を感じた

魔力がバッグへ流れたと言うか吸われたようだ


「これが魔力とか言う奴なんだな

自然と流れたが?

頭に中の物が┅┅そう言う事か」


物語では中身が頭に想像出来るとか書いてあったのを思いだし納得したようだ


ナイフ 服 お金 弓と矢 剣 靴

本 冒険者セット


「食べ物は無いのか┅┅これは自分でどうにかしろって事だな┅

本はなんだろう?┅┅

魔法書か?それと魔物と薬草図鑑ね┅手書きか

変な文字だが読めるのは言語理解なんだな


魔力は感じたし生活魔法が使えるなら魔法も使えるって事だ

剣は普通のか、弓とかは試したいぞ、何と無くこれでどうにかなると思えて来た

のんびりと何処かで暮らせるかも┅┅」


変な所で脳天気なのは性格だろうか?それとも諦めからなのか?

頑張って生きようとは思わないユウサクだった┅┅



名前 ユウサク 年齢15歳 種族 ヒト族 職業 冒険者 称号 異世界人(隠蔽)

HP 800 MP 1000 体力 800 運 5

レベル 4

スキル

剣術 2 投擲 2 棒術 3 跳躍 2 生活魔法 1 鑑定(制限中レベル30隠蔽)

経験値10倍

【ギフト】

スーパーマジックバッグ

???(制限中レベル50)

言語理解


「この経験値10倍で能力が上がったのか

ウサギ1匹でこれだとスライムでも稼げるかな┅

生活魔法は試して使える様にならないと不味い

それとこの冒険者セットってのも確かめ無いとだな┅」


不思議とステータスを見てこの先を考えてる

諦めてた人生だがそれでも生きて来たのは何も死のうと思って無いからだろう


今も生きる為にどうするかを思案してる

死にたい訳では無い只やる気が無く仕方なく生きてただけ


今は何も分からない所で又殺されるのは嫌なだけだ

それも人では無く得体の知れない魔物とかだから


「どれ、職業に冒険者となってるからこの冒険者セットなんだろう

確かめてみるか」


木から降りて冒険者セットをバッグから出す

実に簡単だ、思ったら出てくるとは┅┅


このバッグは意識したら頭の中に入ってる物が解る

そして出したいのも思うだけで出てくる


「これは使い方?誰かに見られたらヤバイ奴だろ?

普通のバッグに入れて擬装と言うか誤魔化さないとな」


冒険者セットにはテント1式と解体用ナイフ、冒険者の事を書かれた小雑誌?干し肉、黒いパン?

毛布、ローブ、革製の胸当て?防具かな┅


「こりゃ基本的な物ばかりだな、この黒いパンってのは硬くて食べれるのか?

干し肉ってのも何の肉だろ?

食えなくは無いが不気味だな┅」


異世界物語ではこの干し肉は大抵が野ネズミだったか?

黒いパンは定番で大麦パンでボソボソのカチコチ


「これは何かに使うとして食べるのは無しな┅

解体用ナイフは助かる、明日は上手く捌けるだろう

テントで寝れるのも少しはマシと言うもんだ」


テントは何と!エアー式でホイっと投げたらパーン!と張れた

そした中が広く6人は軽く寝れる程だ

空間拡張って奴かな?


毛布と一緒に下に敷くシートもあった

ゴツゴツした地面を感じ無いのは良く寝れる


これもアフローディアが最低限としたから質素だが本当なら寝具が揃ってるのがこのセットなんだが┅



『アフローディアのケチ!こんなの普通に与えなさいよ』

『だって足掻いてとかでしょ?』

『バカね?それは生きる術でしょ?

最初の何も無い彼にはもう少し優しくしたら?』

『そうかも┅┅失敗したね?テヘ♪』



創造神の企みが分からないから遠慮してしまう

それをジッと見て光る目が幾つも┅┅

さて?フローディアとテレスは上手く導けるのか?


ぐっすりと寝た朝は体が軽い

朝食はプルプラの実を食べ早速生活魔法を確認する


「まずは火だな、これは火種だったか┅火よ!┅シュボ

ほぉ~手の平に出るのか┅しかしこれなら指が良くないか?」


すると人差し指から炎が┅成功

順に水、ライトと出せた様だ


「これは頭に描くとその通りだな

┅確か魔法はイメージで頭にはっきりと想像と言うか描けたら良かった筈┅

魔法は本を読んでからだな

残るのはクリーンだ、これは大事だぞ

風呂に入れないからな┅」


クリーン!┅ホワホワ~ン


「なんだこれは?気持ち良い┅┅

頭の痒いのが無くなるな

それに頭の中がスッキリするのか

精神状態がスッキリするんだな

これだと風呂無しで良いとなるのは理解できる」


一般的に風呂に入る習慣が無いらしく家にも風呂は無い

宿とかは桶のお湯を布に濡らし体を拭くのが普通だとか

実に不衛生で気持ち悪い┅┅習慣


生活魔法を確認してバッグにあった剣を持ち拠点と言える大木から放れて林を出る


昨日行った先を歩くといきなり飛んで来たのはホーンラビットだ!


シュ!キュキュ!


「うわぁ!なんだ?」


ホーンラビットは直ぐに体制を整え又襲って来る!


「こいつ┅目が赤くなってる┅完全に俺を敵としてるのか┅」


剣を構え向かって来る敵に併せるユウサク┅┅ふん!

飛んで来た相手に剣を思いっきり振ると胴体を斬った!

しかし浅い!バタバタと暴れ後ろ足で蹴るラビット!


「観念しろ!」ザクッ┅


暴れるラビットの首に剣を刺して止めを!


「これは考えないと┅肉は取れるが他は駄目だろう」


腹が斬れて首はザックリ、ツノは折れ白い体が血で真っ赤とは┅


知識として毛皮とツノが売れるのは知ってる

スライムは魔石と言う核でこのラビットも魔石はある

しかし解体した時に石で割ってしまった


ガサガサ ガサガサ


「なんだ?」


ピョン!ピョン!ドカァ!


「グハッ┅┅ううっ┅痛い┅スライム?」


ピョン!ピョン!


知らぬ間にスライム5匹に囲まれてた

そして次々に向かって来るとは!


「ガハッ!痛い!ウグッ!」


ピョン!ピューン!ドン!


速い!そして容赦なく向かって来る!それを剣で斬ろうとするが弾かれる!


「ううん!斬れないとはな┅はっ!┅┅刺せば脆かったような?ホイ!」


シュン!スゥ!バシャ!


「フッ┅刺せば楽だな、ほれ」


跳ねてるスライムを突く!すると簡単に刺さり弾ける!


「はぁはぁ┅最初は何も分からなかったが上手く行った┅

5個の魔石┅魔物を調べ頭に入れとかないとケガするな

スライムでもあの威力だからな

ウサギも速くてあのツノで刺されたら死ぬだろう

それと警戒しないと不味いな、ここはそんな所だ┅」


改めて厳しさを思い知るユウサク

ホーンラビットを血抜きしながら拠点へ戻ると枝に吊るして直ぐに魔物図鑑を手に!


スライム、ホーンラビット、ゴブリン、オーク、オーガ、コボルト、ケットシー、他に虫魔物

キラービーにアントとかからヘビやカエルとか読んで手書きの絵を改めて見た


「この辺りは警戒しながら歩かないとな、きっとゴブリンとか出て来るぞ

鍛練して体力とか鍛えるのか?

はぁ~面倒くさい事だ


剣を振ってから体幹運動か┅

走るのはどうだろ?走れるのか?

う~んまだこの辺りを知らないから走るのは早計だろう

スクワットなら足腰の鍛練になる、どうもこの木の周りは大丈夫みたいだから┅┅」


日課として剣振り1000回体幹運動に岩の上での剣振りも

なるべく不安定な岩を選んでフラフラしながら始めた


スクワットも1時間みっちりと!

基礎体力は大事だ!


鍛練の後は警戒しながら辺りを偵察を含めてウロウロと


«気配察知 獲得しました»


「ん?スキルか?なる程ね┅こうして獲得するのか

┅┅世界の言葉だったな

悪くない!」


なんだかんだと言いながらもこの世界に適応する事を選んだ様だ

剣と魔法の世界┅┅

使えないなら惨めな事になると分かったからだろう


フッ┅がむしゃらに生きるなんて無理だがどうにか生きれるなら?

その程度の思いで始めたとは言え

中々ハードでは無いか?フフ


「ステータスのスキルを優先に訓練するば良いか

魔法はこの魔力を感じて循環させる事から始めよう

魔力循環と魔力操作だったな┅

まさか暴走して年甲斐も無く果てるとか無いだろう┅無いよな?」


15歳のピチピチDTだぞ?しっかり飛ばしてるじゃないか

しかし┅┅黒髪黒目のチンチクリンってのはどうなんだ?


┅┅┅┅女神達は?



『フッフン♪アフローディア?それとテレス?貴女達は本当抜けてるわね?』

『えっ!キャシール!なんで貴女がここへ?』

『そりゃぁあの子の事が気になるから見たらビックリ!

ねぇ?アフローディアってさ?光と美の女神でしょ?』


『そうよ テレスは文官だけど女神として叡智を持ってるわよ?』

『じゃあなんであの子は生前の姿なの?

あれで町とか行ったら魔物確定じゃないの?

黒目黒髪でしょ?それに鼻も不恰好だしぃ

顔ものっぺりしてるじゃない

肌も白く無いしぃ

貴女の星じゃぁあれをヒト族として認めるの?』


『『┅┅┅┅┅本当だ!』』

『はぁ~何をやってるんだか┅』

『こ、これは駄目よ!絶対駄目ぇ!どうしよう!テレス!』

『そうね┅じゃあさ?レベルのせいにしてレベルアップしたから容姿が変わった?そんなのよ』

『彼はまだ自分の姿を知らないから今がチャンスかもねぇ~

ゴタゴタ言わずにチャチャと変えたら?』


『そうね!それが良いわ!この星に適した容姿よ!私の星だからね!ね!』

『じゃあ私も手伝うわ 子供よね?ウフフ♪

可愛いのが良いわねぇ~♪』


こうして3人の女神は寝てるユウサクの容姿をイジイジして異世界の基準?

そんな感じに見事な異世界のユウサクを仕上げた様だ


これが新生ユウサクとは!


『これはやり過ぎじゃ無いの?』

『何を言ってるの?この星の生き物は美しく無いと駄目なの

私は美に拘るの!』


なる程!それで美男美女ばかり!

スタイルも女神様が基準ですか?

それならナイスなおっぱいとお尻は納得ですな┅


男もイケメンばかりで高身長の優男とは!

これだと醜男ってのは何かの罰ですかね?


女性はブスって皆無らしいです┅


『キャシールには助けられたわ

本当うっかりよ

ステータスばかりに気を取られ肝心なの忘れるなんてね』

『それだけ気になる存在なのよ

でもキャシールったら変な事をしたわね?』

『変じゃ無いわよ?私は愛と性の女神だからね♪

しっかりと愛を育み丈夫な子を作って欲しいからよ

貴女だって叡智の欠片をしれぇ~っとギフトしたでしょ?』

『エヘヘ♪まぁ世話役だからよ

あんなに魔物とか薬草を勉強してるしぃ

良いじゃない元々頭は賢いんだから』



キャシール 愛と性の女神とは?

愛は慈しむ心で世界を落ち着かせ安定させる

性は子孫繁栄と性別に関わらず平等を司る


しかし男より女の方が能力が多く頭も賢いとは┅


テレスの叡智の欠片とは?

見たり読んだりしたのは頭に全て入るだとか┅賢者の能力とはね┅



黒髪は銀髪へと、黒目も吸い込まれるような青い瞳

鼻はシュッとして高くふっくらとしたホッペ

小顔で背丈は年齢と共に伸びるだろうと155cmのまま


標準だと15歳は170cmじゃ無かったのか?


『ウフフ♪もぅ!女の子みたい♪可愛いわぁ♪』

『だからやり過ぎって言ったの!でも可愛いわね┅┅ねぇ?アフローディア?弄ってる時に女の子を思ったの?』

『違うわよ!ちゃんと男の子よ!

少しは癖で女の子の顔が浮かんだけどぉ┅┅』


『良いんじゃ無いの?成長したら良い男になるわよ♪』

『そうよ?15歳は地球じゃ子供なの!』

『┅┅┅はぁ┅良いわ 何も悪い事じゃ無いわ

魔力量とかレベルも低いから将来はそれなりの男になるでしょ♪』



とまぁ┅┅ユウサクは女の子みたいになったそうです┅

そしてキャシールが施した?これもギフトらしいですな


【絶倫】それと金剛如意棒?

硬いキノコらしいです┅┅キノコ


背丈が155cmと言うのはユウサクがその年齢だった時はそうだったからだそうですよ


日本人はそんなでしょ?ハハハ


これでどうにか異世界でもそれなりの容姿で町とか行けそうになりましたね

う~んファンタジー♪


「なんか体のあちこちが痛いのだが?これって鍛練のせいか?

ずっと運動とかして来なかったからな┅筋肉痛とはな」


違いますって!骨格が変わったからなの!肉体改造も!

その内に自分の姿を知るだろうね

そして思い知れ!ふん!

早く大人になりたいとか!

ワンピース着たら美少女ですっせ!旦那ぁ~♪


アハハ!はぁ┅なんかねぇ



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