第5話

「音の抹殺が行われているんだ」

無動がそんな言葉を口にした。

「音の抹殺」

瑠理香が無動の言葉を反芻した。

「そう。そうだと思う。誰かが何者かが

音の処刑を行っているんだ。どこかで」

「でもそんなことが可能なのかしら?」

「わからない。でもたぶんそんなところ

だと思う」

無動が曖昧に答えた。

「どうやって音たちを処刑しているのかしら?」

「わからない。でも罪を犯したと認定された

音たちが処刑されていることは間違いないと思う」

「どういう罪なのかしら?」

「騒がしいというその一点だと思う」

無動にそう言われて瑠理香も納得した。


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音殺し @k0905f0905

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