第4話

無動と瑠理香が耳を澄ました。

果てしなく遠くから馬のひずめの音が

聴こえた。

「馬がやってくる」

「そうね。馬に罪はないわ」

「ああ、そうだな」

無動はしかしどこか不自然さとでもいうべき

ような現象を目の当たりにしているような

気がしていた。

 馬が嘶く声が聴こえた。

 無動が振り向くと一頭の白馬が

姿を現した。

瑠理香が馬の背中を

撫でた。

 白馬は人懐こかった。

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