第3話
「ねえ、無動」
「何だい、瑠理香」
「車のエンジンの音もまったく聴こえなくなったね」
「そうだな」
「騒々しかったからまあいいんだけどね」
「ああ」
「車の騒音にも泣かされてたからね」
「うん」
「でも不思議だね。なぜ音楽以外の音が
なくなってしまったのかしら?」
「それはきっと必要がなかったから
じゃないのかな?」
「そうね。そう思えば合点がいくわね」
「ああ、必要性がなくなれば消えて行く。
これは世の常だよ」
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