7位~5位

7位 曇天/吉澤嘉代子 私立恵比寿中学

・リンク

【吉澤嘉代子】

https://www.youtube.com/watch?v=bTY-8oxQzss&list=RDbTY-8oxQzss&start_radio=1


【私立恵比寿中学】

https://www.youtube.com/watch?v=vf1rpzJ5vYw&list=RDvf1rpzJ5vYw&start_radio=1



・ピックアップリリック

「繋ぎあわせてほつれた 指先がかじかんできた」(1番サビ)


・蓬葉のつぶやき

 8位の羊文学「そのとき」が希望を持たせる曇天だとするなら、こっちは暗闇に包まれた重苦しい「曇天」。失恋の曲。

 曲中で何度も登場する「ケセラセラ」は、「なるようになる」という言葉だが、もともとは「どうなるであろうか」という意味のスペイン語の疑問文。

 原義には、希望性はないような気がする。この曲に合うのはそちらのような気がする。これから先、どうなるだろう。懊悩したとしても、私たちは生きていかなければならない。死ぬなんて、いつでもできる。生きることは、自分の意志では始められない。ケセラセラの前に「ねえ」とあるのがいじらしい。語り掛けているけれど、返事をする人はもはやいないのだ。





6位 十九月/理芽

・リンク

【理芽】

https://www.youtube.com/watch?v=EGhhBKr4OzY&list=RDEGhhBKr4OzY&start_radio=1

 

【花譜】

https://www.youtube.com/watch?v=6UDkYod-v7s&list=RD6UDkYod-v7s&start_radio=1



・ピックアップリリック

「こんなにきれいな朝日がさすのに 汚してしまうんだね」



・蓬葉のつぶやき

 ポエトリーリーディングというジャンルを、最近知った。この曲のほかには、たとえば、LOLUET「ハネムーン」がある。こちらの曲の作者も、笹川真生。また、歌に理芽も参加している。

 思い出すのは、ずっと真夜中でいいのに。「眩しいDNAだけ」の歌い始め。あの曲もたしか語りのようだった。


「十九月」というタイトルは、変わったもの。マンスリーレポートのように、できごとが語られる。終末に向かう世界。悲愴感はなぜだかなく、「世界寿命と最後の一日」のような混乱もなく、淡々と語られる。しかし、その中にときおり語り手の感情が見える。理芽の原曲と、花譜のカバーでは、やっぱり見えるけしきが違う。


 ピックアップリリックは、厳密に言うと歌詞ではない。最後の最後で、あきらめのように、つぶやきのように、嘆きのように、それは、語られる。戦争が無縁でなくなった時代。ある朝に、もしかしたら私たちは同じことを思うかもしれない。

 




5位 VOIDS/Patterns

・リンク

https://www.youtube.com/watch?v=B0uSLgW9o7E&list=RDB0uSLgW9o7E&start_radio=1


・ピックアップリリック

「I want to be right where you are」



 9位同様、英語の曲。

 MVには宇宙飛行士が描かれている。サビは一瞬、ふっと息を吐くように静かになる。

 歌詞は難解。単語を拾ってもけっきょく訳はできなかった。AI翻訳にかけてもみたけれど、いまいち物語が刻めなかった。それでも5位に選出したのは、ひさびさに言葉を失うくらい、きれいな曲に出会ったと思ったから。


 voidは「からっぽ」、「空虚」という意味。からっぽなものに、水を注ぐ。そんなことを感じさせる。


 ピックアップリリックは「あなたいる場所にいたい」という意味。




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